痩せやすい食事の最適解は「温かいスープ」だった…その「驚きのメリット」と「痩せるメカニズム」
痩せるメカニズム=「食事誘発性熱産生」
最後に、これが本稿のポイントですが、温かいスープを飲むことで、代謝を上げることができる、というメリットが挙げられます。 食べ物を食べると、カラダがポカポカと温かくなるのを感じませんか?これは食事誘発性熱産生(DIT:Diet Induced Thermogenesis)と呼ばれる消費エネルギーによるものです。DITが高くなると消費エネルギーが増え、ダイエットにも良い成果を生み出しやすくなります。 ダイエット中に意識したいのは、食べ物から摂ったエネルギーと活動して消費するエネルギーとのバランスです。消費エネルギーには大きく分けて「基礎代謝量」・「身体活動量」・「食事誘発性熱産生」の3つがあります。 ◇基礎代謝量:寝ている状態での、呼吸や内臓など生命を維持するために必要なエネルギー。 ◇身体活動量:仕事や家事、歩くなどの日常生活の活動とスポーツで消費するエネルギー。 ◇食事誘発性熱産生:食後、食べたものを消化・吸収・運搬するときに消費するエネルギー。 食べ物をゆっくり噛んで消化すると、内臓の活動が活発になり、エネルギーが使われて熱が発生します。1日のエネルギー消費量の割合は、基礎代謝量:身体活動量:食事誘発性熱産生=6:3:1とされています。 食事誘発性熱産生は食材の栄養素や食事の仕方、食事時間によって、エネルギー消費量が異なります。食事誘発性産生を高めると、エネルギーの消費量が増え、ダイエットを後押ししてくれます。 そこで、スープの出番! 温かいものは身体が温まって代謝が上がり、脂肪の燃焼を促します。 体温とダイエットは密接な関係があり、体温が1℃上がると基礎代謝は10%近くアップするとも言われています。温かいスープを積極的に飲んで身体を温めるようにすることで、食事誘発性熱産生アップに繋がるのです。
「食事誘発性熱産生」を上げるコツ
そこで、せっかくスープを飲むなら、ぜひとも意識してほしいポイントがあります。それは、第1に、朝に飲むこと。なぜなら、この食事誘発性熱産生は、同じものを食べても朝のほうが高く、夜にかけてどんどん下がっていくという性質を持つためです。そのため、夜遅い食事が続くと、肥満につながる可能性があるという研究もあります。 そして第2に、たんぱく質をしっかりと摂ること。食事誘発性熱産生は栄養素によって異なり、たんぱく質がもっとも高いという性質も、見逃せないポイントです。このときの食事誘発性熱産生は、たんぱく質のみを食べたときは、摂取エネルギーの約30%、糖質のみでは約6%、脂質のみでは約4%と言われています。普段の食事ではこれらの栄養素は混ざった状態になるので、平均して食事誘発性熱産生は約10%になる、というわけです。つまり、たんぱく質をしっかりと摂ることが消費エネルギーを増やすことにつながります。 最後に第3に、物理的に「よく噛んで食べる」という行為自体が体温・代謝を上げることにもつながる、ということ。ざっと挙げただけでも、「温かい野菜スープをたべる」ことには、これだけの健康効果と食事誘発性熱産生(DIT)によるダイエット効果があるというわけです。 昨今よく聞く「脂肪燃焼スープ」も、こういった背景があるということですね。あまりストイックになりすぎる必要はありませんが、ぜひ、朝には具沢山の「野菜スープ」と覚えておいてください。きっと、ダイエットの心強い味方となるはずです。