京都の石見城跡で防御施設が出土、敵を側面から射撃する「横矢」か…15世紀では珍しく
中世の領主の城館跡と推定される「石見城跡」(京都市西京区大原野石見町)で、防御機能を高めた土塁「横矢」が出土し、京都市文化財保護課が20日発表した。中心部の施設が初めて確認され、城だった可能性が高まった。
元々方形だった土塁の北西角の部分を、15世紀に南北に約10メートル、東西に約6・5メートル拡張し、張り出しを造っていることがわかった。高さは堀の底から3メートル以上あったとみられ、侵入しようとする敵を側面から射撃する施設「横矢」と考えられる。防御機能の高い横矢は織豊期以降盛んに用いられるようになるが、この時期のものは珍しいという。
このほか、2棟の建物跡(14世紀後半~15世紀)も見つかった。同課の馬瀬智光係長は「防御のために先進的な施設を早くから取り入れていたことがわかる貴重な成果。今後、城の性格を明らかにしたい」と話す。
現地説明会は23日午前10時~正午。申し込み不要。