「寝室は4畳半あれば十分」家づくりのプロが“広さはいらない”と断言するワケ。斬新だけどメリットだらけな新提案とは…
広々としたベッドルームに憧れる方は多いのではないでしょうか。しかし、実際に生活してみるとベッド下や横の隙間の掃除に苦労する、なんてことも。今回は、2000軒以上の住宅を手がけてきた一級建築士・内山里江さんの書籍『家は南向きじゃなくていい』より“快適な寝室”をつくる驚きのアイデアをご紹介します。 【実際の部屋の写真を見る】辻希美「使わない家電、広すぎる玄関…」1年住んでわかったわが家の【こうすればよかった】
寝室の話 寝るだけの部屋に広さはいらない
<大事なのはメリハリ> 理想の家をつくるのに無尽蔵にお金を費やせれば言うことはありませんが、普通はどこかで線引きしたり折り合いをつけたりしなくてはなりません。しかし、それは決して「我慢する」ということではありません。 今ある条件のなかで、自分の望む暮らしを叶える設計は必ずできます。大事なのはメリハリです。トイレやお風呂などの汚れやすく掃除の手間がかかる場所はコンパクトにしたり、個室をつくらずフリースペースにしたりといったこともその一環です。お金と面積をかけるなら、思い入れのある場所に限定しましょう。そうすれば、我慢している感を抱かずに、素敵な毎日を過ごせます。 トイレやお風呂以外に「コンパクトでいい」と私が考えているのは、実は「寝室」です。寝室というと、ベッドを置くことを考えると最低でも6畳はマストと思われがちですが、ミニマム4・5畳でいけます。「4・5畳!? 無理でしょ」と思われるかもしれませんね。いいえ、可能です。これからご紹介する方法を使えば、です。 その方法とは「部屋全体をベッドにする」です。既製のベッドは使いません。部屋全体にマットレス(あるいは敷布団)を敷くのです。下の写真をご覧ください。どうでしょう、まったく無駄がないと思いませんか。
そもそも寝室とは? と考えてみる
そもそも、寝るだけの部屋にそんなにスペースは必要でしょうか。あえて寝室で趣味の活動をしたりクローゼットを併設したりする必要があるのなら話は別ですが、最近の家は、ウォークインクローゼット兼フィッティングルームのような、家族の服をまとめて収納する場所をランドリーコーナー付近に設けることが多いです。趣味のスペースも、別途で設けることがほとんどです。 つまり、寝室は本当に「寝るだけの場所」なのです。そのような部屋に余分なスペースは必要ありませんし、天井高だってさほどいりません。窓だってなくてもいいくらいです。さらに言うと、ひと昔前の家のように寝室に絨毯を敷いて大きなベッドを置くことは、ベッド下や横の隙間の掃除に苦労するばかりで、メリットはほぼありません。