料理家・今井真実さんが『SATC』『AJLT』を見て食べたくなったデザートとは?【ミニレシピ付きエッセイ新連載】
LEEwebの読者のみなさん、こんにちは。料理家の今井真実です。いつもレシピでは大変お世話になっております。作っていただいてる読者のみなさんに、いつもありがたく思っています。さて、今回は新しいレシピ紹介…というわけではなく… 私は、ティーンネイジャーの娘と小学生男子と、子どもがいる働く親です。みなさんもそうであるように、夕方には「ふえー」とため息と呼ぶには大きすぎる「息」が出るほど、1日が終わるとクタクタ。 家族と過ごすのも、仕事も楽しい。だけど自分だけの時間もほしい。これさえあれば乗り越えられる楽しみがほしい。そんな私の日々のささやかな「喜び」、時には興奮しながら「好きなもの」を、ここの場所では綴っていこうと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
Yummy! 今月のミニレシピ:真夜中のドラマ鑑賞のお供に。ミランダ覚醒前夜のヨーグルト
子どもが寝静まった後の真夜中のお楽しみのお供は、ギリシャヨーグルトのプレーンにオリーブオイルとはちみつをひとまわし。黒胡椒をガリガリと。罪悪感なしのデザートです。レシピの名前は本編を見た方にはわかるはず。ミランダ~!
いまふたたびの『SEX AND THE CITY』、そして『AND JUST LIKE THAT』。あの頃、私の心の中にはいつもキャリーがいた
さあ、初回のテーマは「いまふたたびの『SEX AND THE CITY』(以後SATC)、そして『AND JUST LIKE THAT』」! この、アンドジャストライクザットというニューワードをなかなか覚えられないことよ……。LEEweb読者のみなさんも待ちわびてましたよね? 伝説のドラマ『SATC』の続編を! 知らない? 見てない? いやはや、私にとってはこのドラマは、青春そのものなのです。 20年弱前、私は東京で一人暮らしを始めました。上京して2日目、「やっとやりたかったことが実現できる!」とわくわくしてレンタルDVDショップへ。意気揚々と借りたのは『SATC』です。だって、どう考えても実家で見られないタイトルではありませんか。だけども当時、ファッション誌ではこのドラマの特集ばかり! もう見たくて見たくてたまらなかったのです。 ご存知ない方に少し説明すると、『SATC』はNYはマンハッタンを舞台に女性4人の恋愛と友情、人生、キャリアを描いたドラマです。異常にファッショナブルなキャリーはコラムニスト。そもそも「セックス・アンド・ザ・シティ」は彼女が連載しているコラムのタイトルでもあります。親友のクールなミランダは弁護士、PR会社を経営しているサマンサはパワーウーマンでもあり一夜の関係を楽しむ自由な女性、アートギャラリーに勤めるシャーロットは古風な思考で常に結婚を視野に入れて恋愛をするタイプ。 4人の異なる女性たちは、いつもドレスアップをして最先端のおしゃれなカフェやレストラン、バーで女と男の関係を語り合います。彼女たちの会話は、刺激的でユーモアに溢れて、キャリーはそこで得た体験談からさまざまな疑問や実情をコラムに綴るのでした。 その頃の私は、『SATC』のおかげで、初めての一人暮らしの夜も寂しさを感じず、むしろ年上の新しい友人ができたような高揚感にいつも包まれていました。キャリーに憧れて私の部屋には、中華街で買った提灯や、ピンクの大きなフラワーベースを置いていました…築30年の木造アパートの和室にはあまりに珍妙な組み合わせですよね。来た人はいつも驚いていたものです。でも良いんです。私の心の中にはキャリー・ブラッドショーがいて、彼女のアイコンであるフレアスカートにハイヒール(もちろんチープなのですが!)をお給料日に買うのが喜びでした。あの時代、心にキャリーを棲まわせている人々が世界中にいたはずです。