「サブカルとJ-POP」1950年代編、洋楽の影響で生まれた日本の新しい音楽
なぜ、こんなにこの頃の音楽が明るいのか
静かな伝説 / 竹内まりや 流れているのはこの番組の後テーマ、竹内まりやさんの「静かな伝説」です。 サブカルというのをテーマにしようと思ったときに、どうなるかなと思いながら始めたのですが、1週目はこんな形になりました。なんでこんなにこの頃の音楽が明るいんだろうとあらためて思った。つまり、メイン・カルチャーというものが存在しなかったんだなと思ったんです。こうでなければいけないという規範がなかった。こうでなければいけないというのは、米軍、進駐軍が、古い日本を思わせるような、軍国的な音楽は禁止ということで、そういう曲を作らせなかったというのがあって、今日お聴きいただいたような明るい歌がたくさん流れたんだなと思ったんですね。 じゃあ、それまでの日本のメイン・カルチャーって何なんだろうと思ったら、これではないかと。明治憲法、大日本帝国憲法です。第一条天皇。万世一系の天皇が大日本帝国を統治する。そういう考え方が戦前にあった。1945年に戦争が終わって、そういう考え方がなくなったわけですね。明治憲法は女性に選挙権がないという、男性優位文化の象徴でしたからね。で、戦時中は洋楽が禁止されていて、そういういろいろな縛りがとけて、お上の目を盗んで活動していたミュージシャンや歌手が堂々と表に出てきた。 戦争が終わったときのことを絶望的混乱と言う人もいますが、新しい自由が始まったことで、本当に青空を仰いで嬉々とした人たちもいるわけですね。そういう人たちがこういう音楽を作ったんだと思うと、なるほどなと思ったりしたのですが、どんなふうに思われたでしょうね。無国籍なおもしろさ。団塊の世代というのは、こういう音楽で子どもの頃、物心ついたときに育っているわけで、サブカル世代というふうに言ってもいいのかもしれないと思ったりもしました。来週は1960年代。新しいサブカルが登場します。 <INFORMATION> 田家秀樹 1946年、千葉県船橋市生まれ。中央大法学部政治学科卒。1969年、タウン誌のはしりとなった「新宿プレイマップ」創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、音楽番組パーソリナリテイとして活躍中。 「J-POP LEGEND CAFE」 月 21:00-22:00 音楽評論家・田家秀樹が日本の音楽の礎となったアーティストにスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出す1時間。 OFFICIAL WEBSITE : OFFICIAL Twitter :@fmcocolo765 OFFICIAL Facebook : @FMCOCOLO radikoなら、パソコン・スマートフォンでFM COCOLOが無料でクリアに聴けます! →
Rolling Stone Japan 編集部