「サブカルとJ-POP」1950年代編、洋楽の影響で生まれた日本の新しい音楽
音楽評論家・田家秀樹が毎月一つのテーマを設定し毎週放送してきた「J-POP LEGEND FORUM」が10年目を迎えた2023年4月、「J-POP LEGEND CAFE」として生まれ変わりリスタート。1カ月1特集という従来のスタイルに捕らわれず自由な特集形式で表舞台だけでなく舞台裏や市井の存在までさまざまな日本の音楽界の伝説的な存在に迫る。 2024年7月の特集は、「サブカルとJ-POP」。802でもやらない夏休み自由研究というテーマのもの、2カ月間に渡ってサブカルと音楽の話を渡り掘り下げていく。 こんばんは。FM COCOLO「J-POP LEGEND CAFE」マスター・田家秀樹です。今流れているのは中島みゆきさんの「時代」。1975年発売の2枚目のシングルですね。2018年に出た『中島みゆき ライブ リクエスト -歌旅・縁会・一会-』。このライブアルバムからお聴きいただいております。今月の前テーマはこの曲です。 時代 / 中島みゆき 今月は802でもやらない夏休みの自由研究と題してお送りします。毎月夏休みみたいなものではあるのですけれども、そうやって括ると普段やらないような特集が組めるのではないかということで、こういうタイトルにしました。802でもやらない夏休み自由研究とついておりますけども、2カ月間に渡って今月と来月、サブカルの話をしてみようと思っているんですね。題して「サブカルとJ-POP」。 サブカルなのに、なんで中島みゆきなんだ?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、理由はちゃんとあります。2つあって、いつの時代にもメインのカルチャーがあるんですね。主流になっている文化。サブカルというのはそれに対してのアンチの流れとして始まるわけですね。サブカルチャー、カウンター・カルチャー、オルタナティヴ・カルチャー、いろいろな呼び方がありますが、メインに対してのアンチという関係ですね。 つまり、もう1つの選択肢。最初は世間から白い目で見られたり、批判されたりしながら始まって、若い人たちの支持を得てだんだん広がっていく。中には志半ばで報われないまま終わってしまう人もいるわけですけども、そうやって始まった流れがいつしかメイン・カルチャーとして定着するようになる。J-POPの歴史というのはそういう歴史なのではないかなと思って、このサブカルとJ-POPというテーマを選んでみました。「めぐるめぐるよ、時代はめぐる」という歌詞がこの曲を前テーマにしている1つの理由ですね。 もう1つありまして、7月5日から「中島みゆき展 「時代」2024めぐるめぐるよ時代は巡る」。こういう展示会が始まるんですね。グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボ。ここで9月1日まで開かれます。みゆきさんに関しての初めての大規模展示会なんですね。FM COCOLO全面協力。この番組で瀬尾さんとは合計何回…… 8回? 9回? ゲストでいろいろな話をしていますが、そこでの2人の対話が展示会の随所に使われているんですね。私も原稿をたくさん書いています。というようなことがあって、この曲が前テーマ、前置きが長いですね。 で、サブカルについて考えてみよう。J-POPの中のサブカル的な要素というのは、結構あるんじゃないかなということで始めてみようと思います。あえて、802でもやらないとつけているのは開局35周年、今や関西の不動のメインステーションになったFM 802ではなかなかやれない特集になるといいなと思いながら始めるという、そんな2カ月です。今週はパート1なので、戦後すぐですよ。50年代から始めてみようと思いますね。すべてはサブカルから始まった。まずはこの曲からお聴きいただきます。