「有休」を"メンタル回復"のために使うのはアリorナシ? 仕事や育児・介護で燃え尽きないコツを米医師がレクチャー
メンタルヘルスデーを取るメリット
仕事からメンタルヘルスデーを取ることは、習慣的にやっている仕事のプロジェクトや骨が折れるような学校の課題、育児・介護といった家族のケアなど、典型的な日々のストレスの重圧から自分を切り離すよう自分を仕向けることだとアンブローズ医師。 「精神的に打ちのめされている時は、集中力や効果的に仕事をする能力が衰えていることが多いです。瞑想や運動、あるいは単にリセットする時間を取るなど心を落ち着かせる機会を持つと、全体的にストレスを緩和することができ、結果的には生産性向上につながります」。 また、メンタルヘルスデーは感情のバランスを取り戻す機会にもなるとアンブローズ医師は言う。「日常的にストレス要因に晒されることで、あなたの感情はどんどん打ちのめされていきます。そうした負の感情を処理し、自分自身をコントロールする感覚を取り戻すチャンスを自分に与えることは、長期的健康を維持するために非常に重要です」。 メンタルヘルスデーを取る最大のメリットは、長期的な目で見た心身の健康、一度燃え尽きてしまった人でも、そこから回復地点へと戻ってこれる点にあると、ロサンゼルスを本拠とする有資格の臨床心理士モリー・バレッツ博士は言う。 「“メンタル”(精神)の健康という用語を使っていますが、メンタルヘルスデーを取ることは、もちろん心だけではなく体の健康にもメリットがあるのです」。 心と体の健康は密接に結びついているから、慢性的ストレスが体の病気の原因になるのは不可避。メンタルヘルスをサポートすることが間接的に体の健康にもメリットがある可能性が高いのだとバレッツ博士は説明する。 自分が休みを取れば、「仕事で迷惑をかける」「家庭がストップする」と生産性に影響が出ることを心配する人が多いが、皮肉にも、休みを取って健康増進を図ることのほうが、結果的には生産性を向上させる方法であることが研究によって証明されていると、バレット博士は指摘する。