『ESPN』の名物記者アドリアン・ウォジナロウスキが引退、母校のGMに就任「自分のチームに戻ることにした」
「個人的により意義のあることに時間を使いたい」
『ESPN』の名物記者であるアドリアン・ウォジナロウスキがジャーナリストを引退し、母校であるセント・ボナベンチャー大の男子バスケットボール部のGMに就任することを発表した。 声明の中で、ウォジナロウスキはこうコメントしている。「私はスポーツライターとして生計を立てることを夢見ていた。37年前に初めての署名記事が出てから、その仕事に邁進してきた。この仕事は人生を変えてくれたが、私は『ESPN』とメディア業界から引退する。この役割には責任があり、その責任を果たすことに意欲を感じなくなった。時間は無限にあるわけではない。私は個人的により意義のあることに時間を使いたい。数えきれないほどの同僚や仲間、取材対象の人たち、読者や視聴者には感謝の気持ちでいっぱいだ。長年いろんなチームの報道をしてきたが、自分のチームに戻ることにした」 『ESPN』のジミー・ピターロ会長もコメントを寄せている。「2007年にYahoo!で初めて仕事をして以来、ウォジのことを尊敬してきた。彼の仕事に対する姿勢は誰にも負けない。彼の仕事ぶりが見られなくなるのは残念だが、生活スタイルを変える彼の決断を尊重したい。彼ならどこで何をやっても成功を収めるだろう。我々は彼に感謝し、必要ならば支援していく」 地元であるコネチカット州の新聞『Hartford Courant』のインターンとして働き始めたウォジナロウスキは、『Yahoo!』のNBAコラムニストに、そして『ESPN』の看板記者となった。彼の原動力は『勝利』だった。誰よりも先にスクープを世に出す。SNS時代の到来に合わせて、独自のネットワークを築いて噂やタレコミを集め、関係者の裏を取り、後に『Woj砲』と呼ばれるようになったスクープを連発した。 『ESPN』で富と名声を手にしたが、彼はライフスタイルを変えようとしなかった。大物ジャーナリストになっても、彼とその家族は郊外の家に住み続け、質素な暮らしを送っていた。バスケ界で最大のジャーナリストになっても、彼そのものは変わらなかった。そして自分に適した役割を得て母校に戻る機会が来ると、ジャーナリストとしての地位に固執することなく飛びついた。 アトランティック10カンファレンスに所属するセント・ボナベンチャー大は強豪ではない。2012年以降、NCAAトーナメント進出は3度だけ。それでも彼にとっては唯一無二の『愛するチーム』だ 「学生アスリートやコーチ、教育機関のために働く役割を得て愛する母校に戻る。これは生涯一度の素晴らしいチャンスだ。バスケ部に多くの貢献をして、若い選手たちの将来を切り開く助けができると期待している」