うちの子がグレーゾーン?頭が真っ白に。就学前健診でわかった「ゆっくりだね」の意味【体験談】
ベネッセのほーぷさんです。ベネッセで長年、算数教材の開発を担当しています。 私の子どもは就学時検診後、区の保健センターの検査で発達障害の「グレーゾーン」ではないかと判定を受けました。 当時感じた葛藤、さまざまな悩み、少しずつ吹っ切れるようになったきっかけなど、振り返ってみました。
うちの子がグレーゾーン? 就学前健康診断でわかった「ゆっくりだね」の意味
小学6年生の私の長男が、発達障害が疑われる「グレーゾーン」の判定を受けたのは、就学前のことです。 保育園は7人の少人数クラスでしたので、特に困ったことはありませんでした。 ただ、ときどき先生に「ゆっくりだね」と言われることがあったのですが、私は「そういう性格なんだな」としか思っていませんでした。 就学前の健康診断では、息子はじっと座っていられず、ちょろちょろと動き回っては部屋にあるものに触っていました。 面接してくださった校長先生は「保育園で何か言われていませんか」と遠回しにおっしゃいました。 保育園の先生に尋ねてみると「前からお伝えしていましたよね」と言われ、「えっ、“ゆっくり”って、“成長がゆっくりだから発達障害の可能性がある”っていう意味だったの?」と頭が真っ白に。 今思えば、4つ下の次男は同い年の時、ちゃんと座っていられたし話も通りやすかったのですが、長男は第一子なので「子どもってこんなものだろう」と思っていて気づけなかったんですね。 そこで自治体の児童発達支援センターで、子どもの得意・不得意などの発達のバランスを知るために発達の検査※を 受けたところ、特にワーキングメモリー(短期記憶)が弱く、発達障害が疑われるグレーゾーンとの判定でした。 私の住んでいる自治体では、知的障害のない子どもは基本的に通常学級に所属し、発達障害などで支援が必要な子どもは、週に1~2時間程度、「特別支援教室(通級)」で支援を受けることができます。 特別支援教室はほぼ一対一で、とてもきめ細かに支援してもらえるので希望者が多く、支援が必要と認められるまでに時間がかかります。うちの場合は6月に申請し、特別支援教室に入れたのはその年の冬からでした。 特に入学当初は、クラスの担任の先生が本当によく助けてくださいました。連絡帳や電話で、毎日のように先生とコミュニケーションを取っていましたね。 ※WISC(ウィスク)。発達障害が疑われる場合、お子さんの得意不得意や支援方法をつかむため、一般的にも広く使われる検査です。実際の診断はWISCの結果だけではなく、国際的な診断基準に当てはめながら行われます。