うちの子がグレーゾーン?頭が真っ白に。就学前健診でわかった「ゆっくりだね」の意味【体験談】
この子は人類の子。みんなで育ててもらおう!と思えるようになるまで
振り返ると、特に1年生の1学期は嵐のようでした。 学校に様子を見に行き、息子が教室で一人だけ立ち歩いているのを見るとやはりショックでした。 人との距離感を保てないため、お友達に抱きついてけがをさせてしまったこともありました。 相手のお子さんの保護者のかたに謝罪の電話をすることが何度か重なり、当時はかなり疲れていたと思います。自分の子を、なぜ自分で何とかできないのだろうと考えて悲しくなることもありました。 気持ちが吹っ切れたのは、同じ悩みをもつママ友のMさんと仲良くなってからです。 お子さんも同学年で、特別支援教室でも一緒でした。 それまでは、「うちの子だけがなぜ他の子と同じようにできないのだろう」と悩んでいたのですが、Mさんに「そうそう」「うちもできないよ」と共感してもらっているうちに、少しずつ楽になっていきました。 一人で抱え込んで謝ってばかりでは、私も息子もつらくなってしまう。 自分だけの子どもじゃない、人類の子どもなのだから、みんなで育ててもらえばいい。 周囲の人たちを巻き込んで「一緒に教えてあげてください」という気持ちでいようと思うようになりました。それからは、さまざまな人に相談できる環境を意識して作っていきましたね。
みんなを仲間にする。相談する場をたくさん持つ
1年生の間は、臨床心理士さんに毎月相談に行っていました。 専門家のアドバイスを聞くと気持ちの整理がしやすくなりました。「最短距離はない、失敗を積み重ねていくしかないんですよ」という言葉が印象に残っていますね。 2年生に進級する前には、スクールカウンセラーのかたに「できれば同じ担任の先生がいいのですが」と相談をしました。 「保護者と学校をつなぐのが私たちの役目です」とおっしゃり、校長先生と交渉してくださって、本当にありがたかったです。 特別支援教室には1年の3学期に入ることができ、週2時間、ゲームを通してコミュニケーションを学ぶSST(ソーシャルスキルトレーニング)など、さまざまな支援をしていただきました 以前はゲームに負けそうになると投げ出したり、ズルしてる!と怒ったりしていたのが、少しずつ皆と仲良くできるように。 息子はスポーツが大好きで、6年生になってから自分の意志でサッカーを始めました。 周囲に比べれば遅いスタートではありました が、そこは気にせず、好きなことはやりたいと言える幼さが良い方に出ていると思います。 今では自分で予定を立て、私が起きないうちから朝練に出かけてしまうことも。息子の中に、「ぼくはちゃんとできるんだ!」という気持ちがきちんと育って いるのは、本当に嬉しいですね 。
まとめ & 実践 TIPS
発達障害をもつお子さまにはさまざまな配慮が必要です。 でもそれはもしかしたら、環境が違えば困ることはないのかもしれない。 保護者のかただけで抱え込まず、みんなで解決していけばよいのではないでしょうか。 私はお子さまの発達の特性について、まずは「一人で抱え込まない」ことが大切だと思います。 学校の先生方、行政などの力を借り、仲間を増やしていけるといいですね。