ね、ねらわれてる……（お母さん提供）

　どんなワンコに会っても心が動かなかったお母さんが、ひと目で恋に落ちたボストンテリアの子犬。しかし、好奇心旺盛の興奮ボーイは、足に飛びつき、手にかみつき、どんなしつけ法も効果なし。追い詰められたお母さんはある「奇行」に……。 興奮し飛びつきかみまくるボストンテリアの子犬 　子犬育てに悩む飼い主の駆け込み寺、UG DOGSアトラスタワー中目黒店（以下UG）の激アツ店長、高橋信行さん、駅前で問いかける。 「子犬育てで、家の中がギクシャクしてませんか？」

マイペースだからおとなしい子

「この子！　この子に決めた！」 　妻の突然のひとことに夫はビックリ。幼い頃から犬と猫がいつも家にいた夫は、結婚後もいつか犬と暮らしたいと思っていた。一方、妻は「小さいときにかまれたり追いかけられたりした経験があり、かわいいとは思うものの、犬にはちょっと苦手意識がありました」。そんな妻を説得するため、夫は毎週近所のショッピングセンターのペットショップに誘い続けた。その地道な努力、なんと3年あまり！　妻は振り返る。 「私が病気をして子どもを授からなかった。だから、夫の望みをかなえるためいつかは犬を……とは思っていたのです。でも、いろんなワンコに会ってはみるものの、『この子だ！』と心が動くことはありませんでした」 　2年前の年末。いつも通り夫に誘われショッピングセンターへ。ショーケースの中にいるボストンテリアの子犬を見た瞬間、妻は射抜かれた。「たくさんワンちゃんがいる中で、『特別な子』に見えたのです」。そして冒頭のひとこと。「結局、ずっと犬がほしかった僕ではなく、妻が決めました」と、夫＝お父さん＝は笑う。 　もともと「鼻ぺちゃ系」の犬がいいと思っていたが、「ショップのスタッフさんに、ほかの子犬たちはぴょんぴょんまとわりついていたのに、ボストンテリアの子犬は後ろ脚をケリケリし、助走をつけて飛びつこうとしていたんです。その真剣な姿がおかしいやら、かわいいやら」と、妻＝お母さん＝は、出会った日のことを思い出し、いとおしそうに目を細める。 　ショップの店員から「マイペースな子ですよ」と説明されたことも、後押しに。「マイペース＝おとなしいんだな、と解釈しました」とお父さん。お母さんも「私は初めて犬を育てるので、ボストンテリアはちょっと難しいのかなと思ったのですが、おとなしいなら大丈夫かなって」。抱っこするとわちゃわちゃはしていたが、そんな姿もかわいかった。