定年目前65歳サラリーマン「退職金は2,500万円です」…目を輝かせた銀行員に〈特別プラン〉を紹介され申込も、3ヵ月後に知ったむごい事実「さすがにひどすぎます」【FPの助言】
サラリーマンとして安定した収入を得てきたものの、目前に迫る年金生活……。定年退職前後での今後の収入減に対する不安。そんなタイミングで退職金という大金を手にしたら、少しでも増やしたいと思う人は多いでしょう。そんな人たちをターゲットにしている人たちもいて……。本記事では、Aさんの事例とともに退職金運用の注意点について、FPの牧元拓也氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
退職金を使った老後資金運用
数ヵ月後に長年勤めた会社の退職を控えているAさんは現在65歳、現在の収入源は老齢年金と個人年金で合わせて年間270万円ほどです。もともと生活費が毎年240万円ほどであったので、収入が少なくても大丈夫だろうと思ってはいたものの、最近の物価の上昇が気になってこのままでいいのかと不安になり、銀行へ相談しに行きました。 銀行員「退職金専用プランが使えます」 銀行で老後の資金について相談したところ、「退職金の受取予定はありますか?」と尋ねられました。上場企業に長く勤めていたこともあり、退職金は2,500万円程であると伝えたところ【退職金専用プラン】が使える、との提案を受けました。 「これは退職金の半分を定期預金、半分を投資信託に預けていただくと定期預金の金利が7%になります」との説明でした。 Aさんは投資経験もなく、貯金はずっと普通預金に預けています。普通預金の金利がようやく0.1%になった世の中で、金利7%と聞いて少し及び腰になってしまいました。ですが、定期預金であれば元本は保証されているし、半分は投資に回るということはもっと増やせる可能性もある、安全に資産を増やしていけば老後も安心だ、そう思って退職金を全額を使って申込をすることにしました。
退職金は金融機関の預金残高を増やせるチャンス
退職金専用の定期預金は多くの金融機関で取り扱っています。金融機関からすると、退職金は預金残高を大きく増やせる機会。特に大手メガバンクに比べて規模が小さい地方銀行や、信用金庫などにとっては絶好のチャンスです。そのため、お客様に選んでもらうために、いろいろなキャンペーンで魅力を高めようとしています。 よくあるのは以下のようなキャンペーンです。 ・普通預金とセットの預入で金利上乗せ ・投資商品とのセット預入で金利を上乗せ ・老齢年金の受け取り銀行に指定することで金利上乗せ 新NISAが始まり、世の中が投資へ目を向け始めるなか、いままで投資経験がなく、まだ動き出せていない人も多くいます。 そのような人にとっては定期預金は普通預金よりもお得で安心感があるでしょう。しかしこのような商品を選ぶときは注意が必要です。
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