【週末北欧部chikaさん】休み下手な日本人必読!フィンランド人に学ぶ「上手な休み方」
仕事は人生の一部、パートオブライフ。休みを取ることに固執する
フィンランドはDIYが盛んなようですね。現在も“仮暮らし”から脱却し、フィンランドに根を下ろしている真っ最中だと思いますが、それに伴う日々の戸惑いや喜びなどありますか? chika:「夢を叶えるため、今が頑張りどき」「20代、30代のうちは打席に立て!」とずっと“仮暮らし”してきた余韻が、実は今もまだ残っていて。目に見えない、フィンランドの暮らしのリズムを少しずつ学んでいる真っ最中です。フィンランドでは年に一度、1カ月程度の長期休暇を取ることが一般的なのですが、いざ実践してみたら自分にはすごく難しくて。移住1年目は就職1年目でもあり、法律的に就職2年目以降でないと長期の有給休暇を取れないので、移住2年目で個人事業主になって初めて1カ月の休みを取ることになりました。が、個人事業主になった焦りもあって、予定していた夏休みを何度も延期してしまって。起業するタイミングでヘルシンキ市の起業アドバイザーさんに「起業家の方はおろそかにしがちですけど、一番大事なのは休暇を持つこと。熱心なのもいいですが、起業家が陥りがちなのはリソースを使い果たしてしまうこと。始めるのは簡単だけど続けるのは難しい、だからこそ休暇を取りましょう」と言われ、休暇をどう取るのかも教えてもらっていたんですけどね。 休暇の取り方、ぜひ知りたいです! chika:「仕事を頑張るのと同じぐらい、休暇を取ることに固執してください」と。アドバイザーさんによると、健康状態は休暇開始1週間以上経ってから回復し始めるという研究データがあるそうです。なので年に一度長い休みを取るのがオススメだし、それが難しくても1日、2日とバラバラに休暇を取るのではなく、3日以上の連休を取るようにしましょうね、と。ヘルシンキ市のビジネス支援課が作成した起業マニュアルにも「休暇について」という項目がありました。 自治体のアドバイザーさんが「休むことに固執してください」と、しかもエビデンスデータを出して説得してくるとは……日本と大違いですね。chikaさんご自身は日本で会社員として勤務していましたし、フィンランド移住後の最初の職場でシェフとして働いていた時期も繁忙期は1日12時間労働されていましたが、以前から「休み下手」という自覚はありましたか? chika:はい、まさしく「休み下手」ですね(笑)。働くのが好き、ということもありますし、自己犠牲の上、身を削って長時間働くことや目標達成することで「自分は組織の中で役立っている」と実感することが癖付いてしまっていて。フィンランドに来た頃は(職場の共通語である)英語のレベルも、お寿司スキルも日本のレベルではまだまだだし、それをカバーするために「休まず働くこと」で頑張っていることをわかりやすく示す……となってしまって。でも職場で「“休まず長時間働く”以外のことで職場に貢献できているよ」とフォローされ、「休むことは誰しも必要で、あなたが休まないと他の人も休みづらくなるし、休んでもいい環境を作ることが大事なんだよ」とも言われました。 フィンランドでは「仕事は人生の一部、パートオブライフ」という考え方を持つ人が多く、働いていたレストランのボスの口癖でもありました。「仕事はもちろん大事だけど、一番大事なのは自分の人生と家族。だからこそ健康が大事だし、ちゃんと休もう」と、従業員の休みを積極的に調整してくれました。印象的だったのが「プライベートで辛いことがあって、それが仕事にも影響するのであれば、そういう状況であることだけは伝えてほしい、詳細は不要だから。そうすれば助け合えるから、正直に言おう」と言っていたこと。同僚が「彼氏と別れたから悲しくて働けない」と繁忙期に1週間休んでめっちゃ大変だったこともありましたが(笑)、何かあったときはお互い様だし良いルールだな、と思います。私も二日酔いの日には正直に「今日は本当に無理だから、何かあれば助けて欲しい」と申告していました(笑)。