販売戸数が大きく減少!新築・中古マンション市場動向や注目物件やなどを不動産アナリストが解説【2024年9月版】
首都圏の中古マンション市況【2024年7月データ】
中古マンション市況は価格が上昇しているものの、成約件数が減少している。また、エリアによって在庫や価格の動きに大きな差があることから、市場は一部で活況を見せつつも、全体的には慎重な動きが見られる。 公益財団法人東日本不動産流通機構によれば、2024年7月度の首都圏中古マンション成約件数は、前年同月比1.3%減少の3,193件となっており14ヵ月ぶりに前年実績を下回った。 成約価格は、前年同月比10.7%上昇の5,049万円。平均成約㎡単価も対前年同月比9.8%上昇の78.97万円となっている。成約㎡単価が前年同月を上回るのは、51カ月連続となる。また、2024年7月の新規登録物件の㎡単価は76.29万円となっていて、前月よりも2.0%上昇した。 2024年7月の新規登録件数は、対前年同月比で8.6%減少の15,661件。在庫件数は前年同月比で3.7%減少し、44,509件となっている。 下のグラフは、過去5年間の首都圏の中古マンション価格(成約㎡単価、在庫㎡単価)と在庫件数の推移を示す。在庫件数は、高水準のままだが緩やかに減少しつつある。 次に、地域別の中古マンション動向を見てみよう。 在庫の減少が目立つのが東京都心部だ。千代田区、中央区、港区の都心3区の在庫は、2023年7月度の3,169件から2,401件へと直近1年間で24.2%もの減少。成約㎡単価は、157.37万円から200.04万円へと大きく伸び27.1%もの上昇となった。 東京23区内ではすべてのエリアで在庫が減少傾向にあり、城東地区は-17.9%、城南地区は-11.4%、城西地区は-16.3%、城北地区は-16.2%の減少が見られる。一方で、多摩地区や埼玉県、千葉県、神奈川県などは在庫の増加傾向が続いている。 埼玉県、千葉県、神奈川県では、中古マンションの成約平均価格も大きな上昇は見られず、さいたま市が4,090万円、千葉県総武地区(市川市、船橋市、鎌ヶ谷市、浦安市、習志野市、八千代市)が3,198万円、川崎市が4,862万円。ファミリー層にも十分手が届く価格だ。中古マンションの需給バランスは、新築マンションの供給戸数や価格帯にも影響する。供給が活発な千葉市や東武東上線は、新築も中古も選択肢が豊富にある。 次に、今月の注目マンション「ブランズタワー橋本」を紹介する。