ECB、景気抑制を過度に長引かせるべきでない-チーフエコノミスト
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン理事は、2025年には景気を抑制しない水準まで金利を引き下げることが可能だとの見通しを示した。
「具体的な引き下げペースをあらかじめ約束することはしないが、徐々に金利を引き下げていく必要があるだろう」と、フランス紙レゼコーとのインタビューで語った。「景気抑制的な金融政策を過度に長引かせるべきではない。そんなことをすれば、経済は十分に成長せずインフレ率は目標を下回るだろう」と述べた。
「インフレ率を2%の目標値に持続的に戻す最終段階の大きな部分は来年達成されるだろう」とし、「従って、新たなショックがなければ来年にこのバランスが達成できると思う。そして、景気抑制的な政策はもはや必要なくなるだろう」と語った。
ECBは12月の会合で再び借り入れコストを引き下げると広く予想されている。22日に発表された購買担当者指数(PMI)の低調な数字を受け、市場では0.5ポイントという大幅な利下げを予想する動きが強まっている。ただ、週内に発表される11月のインフレ率は前月から上昇しECBの目標を上回る可能性が高い。
「現時点では、インフレ率は目標に近い水準だが、これは主にエネルギー価格の下落と依然として高いサービス価格を反映している。インフレ率が望ましい水準に持続可能な形で戻るには、まだ調整の余地がある」とレーン氏は述べた。
ユーロ圏経済について氏は「現在、シクリカルな景気回復局面にある」との考えを示した。
「今年、いくつかの国では賃金がインフレ率を上回るペースで上昇しており、家計所得の改善が見られる。来年および26年には消費がさらに力強く増加するだろうと考える十分な理由がある」と語った。
政策委員会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁は、ECBは来月にも金利を引き下げるべきだとの考えを示した。
同氏は25日のラトビア公共放送局とのインタビューで「もちろん議論は行われるが、欧州経済で現在起こっていることを考慮すると、12月に追加利下げが必要だと確信している」と語った。