「市販の炊飯器60個で炊く」「年間で500万食も販売」…。リンガーハットの隠れ人気メニュー「半チャーハン」の隠されたこだわり
同じ炭水化物なのに、麺を食べるとご飯も欲しくなるのは私だけでしょうか。長崎ちゃんぽんの横で出番を待っていたチャーハンも食べ進めましょう。 具材がたっぷりの長崎ちゃんぽんに対して、半チャーハンはシンプルです。ぱっと見の具材は、ネギと卵とベーコンの3種類。サイズ的にも「半」といえどそこまで多くなく、ちゃんぽんと合わせて食べるにはちょうど良いボリュームに感じました。 味付けも比較的あっさりなので、チャーハン単体でも、長崎ちゃんぽんのスープと合わせてもおいしくいただけます。どこかに食べ残しがないかと、長崎ちゃんぽんの濁ったスープをレンゲで念入りに混ぜながら、食べ終えました。
■実は「とんかつ」がルーツ ここ15年で女性客の取り込みに成功 さて、改めてリンガーハットの紹介です。 もともとルーツは、とんかつ店の「浜勝」。現在の名誉会長である米濵和英さんの兄を中心に創業しました。リンガーハットの三宅久美子さん(管理部 経営管理チーム 部長)によると、1970年の大阪万博をきっかけに海外の外食チェーンを日本で目にすることが増え、広く店舗を展開できるものとして目を付けたのがちゃんぽんだったといいます。
その後1974年に、リンガーハットの前身である「長崎ちゃんめん」という店を長崎市内に開業し、1977年に「リンガーハット」1号店を福岡県内にオープンしました。店名の由来は、長崎で貿易商を営んでいたフレデリック・リンガー氏。長崎の郷土料理であるちゃんぽんを手掛けるに当たり、ゆかりのある商人の名を選んだそうです。 そんなリンガーハット、やはり代表メニューである長崎ちゃんぽんを中心としたちゃんぽんメニューの注文が多いといいます。全体のうち6~7割を占め、そこに皿うどん、さらに定食などが続きます。
リンガーハットといえば国産食材を使っているイメージが強いですが、意外にも転換期となったのは2009年と、15年前。日本フードサービス協会の会長を務めることになった米濵さんが全国の農家をまわる中で国産野菜の魅力に改めて気付き、自社メニューへ生かすことをトップダウンで決断したそうです。 時を同じくして、そのころから増やし始めたショッピングモール内の店舗を中心に女性やファミリー層の利用者が増え、安心かつ栄養をとれる国産野菜を軸にしたメニュー構成とマッチ。今では男女の差はほとんど見られないというほど、幅広い客層に支持されるチェーンとなりました。