「チャレンジ」のテーマ掲げて3連勝狙う関西学院大。同志社大は、今季初出場のFB村岡が引っ張る
「23人全員がひたむきに、泥臭く、戦います。部を代表して戦えることに感謝して、目指しているラグビーを体現するつもりです」
この試合、主将やルーキーながら3番で先発してきた小杉太郎は、ベンチスタートとしてインパクトを与える役に回るが、セカンドロー以降は、いつものメンバーが先発する。 NO8小林は力強さでチームを前に出す存在。FBには、仲間にモメンタムを与えるプレーをする武藤航生が入った。全員が強みを出して戦う。
一方の同志社大は連敗中も、前戦の天理大戦は28-52と敗れたが、後半30分まで28-31と競り、粘りを見せた。 一人ひとりの力はある。今季は昨年までより練習量も、走る量も増やし、基礎プレーも繰り返してきただけに、チームにまとまりが出つつある。
主将の寺北亘佑(LO)を怪我で欠くチームは、関西学院大戦のゲームキャプテンにFB村岡麟太郎(副将)を指名した。 村岡は今季初出場。怪我で、春から夏と練習に参加できなかった。しかし秋に向け、地道に重ねてきた努力の結果を出したい気持ちは強い。 「一番うしろから、声をかけ続けます。チームに対して前向きな言葉をかけていきたい。スペースのカバーにも走るし、積極的にボールをもらいにいきます」と話す。
天理大戦では、開幕の京産大戦で出た課題を修正して臨んだことが奏功した。 初戦はフェーズを重ねられては相手にスペースを与え、セットプレーからあっさり失点することもあった(97失点)が、それらを改善。ボールを手にすれば攻め手があることを証明した。
ディフェンスで頼りになるのは、鈴木崇敏、山中颯真の両FL。働き続け、チームに勇気を与えてくれる存在となっている。ゲームコントロールは、SH藤田海元、SO大島泰真が受け持つ。 1年生のNO8中谷陸人は春から試合に出て、周囲の信頼も高まっている。相手ディフェンスを崩すための杭になれば、チャンスが生まれることも多くなるだろう。
昨季は全敗。今春のトーナメントでも成績が振るわず、部の雰囲気が重いこともあった。 しかし最上級生を中心に前を向いて進んでいく空気を作り、それを全体に広めている。 天理大戦で出てきた粘りと積極性を、さらに大きくしたい。
田村一博