立民は改憲逆提案を 政権交代への道筋は? 「参院のドン」輿石氏に聞く【政界Web】
野田代表に破壊力ほしい
―来年夏の参院選をどう戦うべきか。 前回の政権交代の際は、2007年参院選で民主党が参院第1党を獲得し、2年後の09年の政権交代につなげた。来夏の参院選には、07年と同じ「逆転の夏」を実現するという目標を持って臨まなければならない。 ―改選定数1の「1人区」の調整がカギだ。 1人区での1対1の構図づくりは、政権交代に向けた第一歩だ。しかし、国民民主党や日本維新の会と調整できるかというと、簡単ではない。政策が一致しなければ共闘できないと言われても、参院選には間に合わない。「政策は横に置いて選挙協力だ」ぐらいのことを仕掛けられるかだ。本来は幹事長の仕事で、それぞれの党の幹事長がそういうものを持っているかだ。 ―民主党政権時代は野田代表の下で幹事長を務めた。野田氏の党運営をどうみているか。 野田氏は11年8月の民主党代表選で新代表に選出されると、私を幹事長に指名した。日本の憲政史上、参院議員が政権与党の幹事長を務めた例はなく、私も「いい年して恥をかきたくない」と断ったが、「それ以外考えられない」と3日も(言って)きたから受けるより仕方なかった。行くも地獄、去るも地獄。徹底的に支えたつもりだ。 ―12年11月の党首討論で当時の野田首相は解散を宣言した。 自民党の谷垣禎一元総裁と交わした「近いうち解散」の約束を巡り「いま解散すべきではない。桜の咲くころまで我慢できないか」と野田氏を説得したが、野田氏は「うそつきと言われるのは耐えられない」と聞かなかった。私は最後は「仕方がない」と、テレビが入る党首討論の場で衆院定数削減などを安倍晋三自民党総裁に迫るよう提案した。野田氏は誠実な人柄で、うそをつかず、パフォーマンスはしないという素晴らしいところがある。ただ、もう一つ破壊力、突破力が欲しい。