男子やり投げのディーン元気、「後味悪すぎる」3位も3大会ぶりの五輪返り咲きほぼ確実
パリ五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権第3日は29日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで行われ、男子やり投げは新井涼平(スズキ)が80メートル78で優勝。2012年ロンドン五輪代表のディーン元気(ミズノ)は78メートル15で3位だった。 ディーンは世界ランキングでの五輪代表選出がほぼ確実になった。2012年ロンドン五輪以来の返り咲きとなる。ただ、この日の記録は低調で「後味の悪すぎる試合をしてしまった。もう一度気を引き締めてオリンピックに挑みたい」と唇をかみしめた。 逆転を狙った6投目、思うような投擲(とうてき)ができず、首どころか体ごとかしげた。6度の投擲は大台の80メートルラインを超えることはなく、4投目の78メートル15が最高。左腰の痛みの再発を恐れ、やりに角度をつけられなかった。「全てバックホームのようなライナーになってしまった。ミリ単位のスポーツだと改めて実感した」とこぼした。 とはいえ、3大会ぶりのカムバックとなれば偉業だ。長年低迷期を味わった32歳はオフシーズンにやり投げ大国のフィンランドで武者修行を行い、高みを目指してきた。 「悪い試合をしたら次はいい試合になることが多い。自分のベストの投げができれば(五輪本番で)予選は通る。決勝が勝負」。本来の投擲を取り戻して、12年分の思いを胸にパリの地で大暴れする。(石原颯)