【女性でより顕著】10年以上「MIND食」を続けた人は物忘れや集中力低下リスクが減少!やり方は?
人の名前がパッと浮かばない、出先で買うはずのものを忘れて帰宅するなど、年齢を重ねるにつれて、誰しも経験する物忘れ。この認知機能低下のリスクを減らすための食事法「MIND食」が今世界的に注目を集めている。 〈写真〉物忘れや集中力低下リスクが減少する?注目の食事法「MIND食」やり方は ■MIND食とは? 地中海式食事法とDASH(高血圧予防)食事法を組み合わせた「MIND食」は、脳に優しい食品を積極的に取り入れる食事法だ。具体的には、【葉物野菜、ナッツ、ベリー類、全粒穀物、魚、肉、オリーブオイル、さらには適量の赤ワイン】が推奨されている。一方で、赤肉、バターやマーガリン、揚げ物、甘いお菓子などの摂取は制限される。この食事法がもたらす認知機能を維持する効果は特に女性で顕著に見られることが、最近の研究で明らかになった。 ■10年以上MIND食を続けた人は物忘れや集中力の低下リスクが減少 最新の研究によると、MIND食を10年以上続けた人は、物忘れや集中力の低下リスクがわずかではあるものの、確実に減少することが確認された。特に、女性においては、認知機能障害の発症リスクが6%低下するという結果が得られた。この研究は、約14,000人を対象に10年間追跡調査を行い、その中には白人と黒人の両方が含まれていた。この研究を指導したシンシナティ大学のラッセル・ソウヤー博士は、「認知機能障害のリスクを遅らせる、または減少させるために、MIND食のような簡単な食事の変更が役立つ可能性がある」と述べている。 ■脳を酸化ストレスから守り、炎症を抑える MIND食がなぜ脳に良いのか?その理由は科学的に解明されている。葉物野菜やベリー類には豊富な抗酸化物質が含まれており、これは脳を酸化ストレスから守る役割を果たす。また、魚やナッツに含まれるオメガ3脂肪酸は、脳の健康に不可欠な成分として知られている。さらに、オリーブオイルや魚に含まれる良質な脂肪分は、炎症を抑え、認知症リスクを減少させる働きがある。MIND食が推奨する食品は、認知機能の低下を引き起こすとされる血管の損傷や炎症を抑える効果も期待されており、これはアルツハイマー病やその他の神経変性疾患の予防につながるとされている。 ■MIND食を始める簡単ステップ MIND食は手軽に取り入れられる。また、毎日少しずつ取り入れることが大切だ。例えば、日常的に葉物野菜を一品追加することや、間食をナッツにすること、朝食にベリーを加えることが効果的だ。また、脂肪の多い魚(サバやサーモン)を週に1~2回摂取することも推奨されている。これらの小さな変化が、長期的な脳の健康維持に大きな影響を与えるのだ。さらに、MIND食では赤肉や高脂肪食品を控えることも意識しておきたい。これにより、脳の血流を良好に保ち、脳の老化を遅らせる効果が期待できる。日々の食事に少しずつMIND食の要素を取り入れることで、脳を守り、健康に年の重ねるための一歩を踏み出してみては? 出典: MIND diet linked to lower cognitive decline risk, especially in women MIND Diet Linked with Sharper Memory, Lower Risk of Cognitive Decline Do You Know the MIND Diet? It Might Keep You Sharp With Age 文/山口華恵
山口華恵