米露の軍トップが電話協議 ウクライナ情勢を協議か
ロシア国防省は5日、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長と米軍のブラウン統合参謀本部議長が電話協議したと発表した。米紙ニューヨーク・タイムズは4日、米国防当局者の話として、ウクライナ情勢を巡る両国の緊張激化を避けるための方法について話し合ったと報じた。 同紙によると、米露制服組トップの会話は2022年10月にゲラシモフ氏がブラウン氏の前任のミリー前統合参謀本部議長と電話協議して以来。 露国防省によると、協議はロシア側の要請で11月27日に行われ、露海軍や航空宇宙軍による地中海東部での軍事演習について米側に通知したと説明した。国防省は今月3日、北方艦隊のフリゲート艦から極超音速ミサイル「ツィルコン」を発射するなどの演習を実施したと発表していた。 ニューヨーク・タイムズによると、ゲラシモフ氏は、ウクライナに向けた最新式中距離弾道ミサイル「オレシニク」の発射について、米国がウクライナに長射程地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」でのロシア領への攻撃を容認する前から計画されていたと伝えたという。プーチン露大統領はオレシニクでの攻撃について、ウクライナが米欧製の長射程兵器で露領を攻撃したことへの報復だと主張していた。 また、米CNNは4日、米側は協議の中で、北朝鮮によるロシアへの派兵にも懸念を伝えたと報じた。【モスクワ山衛守剛】