「子持ち様よ!いい加減にしてよ!」子育て中の部下だらけの部署で働く「40代独身女性」が語る「怒り」とは
「子持ち様」。これは、ネットスラングのひとつで子どもを持つ人に向けられたものである。 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏はこう話す。 「ネットニュースに取り上げられたことで、話題になりました。『子持ち様』と揶揄する人たちは、子育て世代が休むことで仕事が増えるなどの負担を追っている人たちでしょう。彼らへの配慮や手当などがないのは、子育て世代というよりは企業の体制や構造が大きい。大企業であれば、その辺りまでフォローできそうですが、中小企業となるとそこまで手が回らないというのがリアルなところでしょうね」。 本来、子持ちVS子なしの構造ではないのだ。とはいえ、実際に負担を背負っている人のことを思うと何とも言えない気持ちになる。今回は話を伺ったのは、独身の40代女性。続々とチームの仲間が子持ちになっていったことで増えた負担と思うことを話してくれた。 ----------------------------------------------------------
本庄エリカさん(仮名・48歳)は、企業のPR部門で働いている。仕事柄、女性と会うことも多いと話す。 「スタイリストさんや編集者さんは、特に女性が多いです。20年前くらいまでは結婚していない人も多く、子持ちの方が少ない印象でした。今はすっかり様変わりしましたよね」。 子どもを産み、育てながら仕事を続けている仕事仲間や友人たちをみて、羨ましく思う気持ちもあったと素直に話してくれた。 「私自身、30代後半までは普通に子供を産むと思っていました。でもタイミングが合わず、結局産まない選択をして、今も独身です。仕事は楽しいですし、充実しています。でもふと、寂しくなるときもあります。でもこれは結婚していても、子どもがいても同じかもしれません」。 そんなエリカさんは、子供好きでもある。甥や姪がいることもあり、子育ての大変さもある程度は理解している。 「妹の子供なので、比較的よく会いますし、小さい頃は預かることもありました。親としての大変さは分かりませんが、子供と一緒に過ごすヘビーさはある程度は理解しています。子供たちと遊ぶと次の日ヘトヘトになりますもんね。だから部下に子供ができても、比較的柔軟に受け入れることができたと思います」。 しかし、心の奥底にモヤモヤがないと言えば嘘になる。 「冬場は特に季節性の病気が流行るでしょう?そうすると次から次へと休みが連鎖します。兄弟とかいると休みは長くなりますし、結果的に業務の肩代わりをせざるを得ない状況に。1日や2日ならまだしも結局1ヶ月以上全員が揃わないなんてこともあるので、そうするとモヤっとはしますよね。私はその間も自分で体調をコントロールして、出勤しているわけですから。ただ、こんなことを口にしたら、器の小さい上司だとか思われちゃうだろうなと思うので、口が裂けても言えません」。 それに、とエリカさんは付け加えた。