スポーツカーの王道と言われる「ロングノーズ・ショートデッキ」! 一体どういう意味?
ロングノーズはスポーツカーの証
ロングノーズ・ショートデッキとは、フェラーリ12チリンドリ、BMW Z4クーペ、日産フェアレディZ、古くはロータス・セブンやトヨタ2000GTなど、伝統的なFRスポーツが理想としていたプロポーションのこと。 【画像】ミッドシップスポーツカーのスタイリングといえばキャビンフォワード ロングノーズは、文字どおり”鼻先が長い”という意味。初期のスポーツカーは、乗用車のパワートレインを流用するのが定番なので、駆動方式はFRにするのがスタンダード。そこにパワフルな大排気量エンジンを載せるので、エンジンルームは大きくなり、さらに運動性能を高めるために、その大きなエンジンをなるべく後方に積もうとするので、ボンネットの長いクルマが出来上がる。 そしてショートデッキ。 デッキとは乗りものの床のことを指す。クルマの場合、キャビンより後方のトランク、荷室のことを意味している(デッキには乗車スペースを含むという説もある)。 スポーツカーは、オーバーハングが短く軽いほど運動性能が高い。そして運動性能とスタイリングのためには、実用性を犠牲にするのがスポーツカーの王道なので、キャビンの後ろはバッサリとカットしたスタイルを採用する。 その結果、リヤデッキ部は思いっきり短いカタチが求められ、ロングノーズショートデッキが出来上がるというわけだ。 かつては「FRのスポーツカーは、ウインドウシールドをホイールベースの中央にレイアウトするのが理想」と考えられていたこともあり、クラシックなスポーツカーほど、このロングノーズショートデッキが好まれてきた歴史がある。 そうした影響から、いまではロングノーズは大パワーの象徴になり、ショートデッキはアジリティ(俊敏性)を表す記号的な意味ももつようになっているようだ。
藤田竜太