ヴィッセル神戸は敗れても「問題なし」 選手たちが選んだプレーモデルにこだわる
もし早い時間で同点に追いついていたら、その勢いを駆って逆転まで持ち込めたのではないか。神戸は不調だったわけでも、スタイルで限界を露呈したわけでもない。これぞ神戸、という戦い方をして、勝ったか、負けたか、の差しかないだろう。 昨シーズン、神戸は大迫など有力選手のパワーを生かす戦いを選択し、アンドレス・イニエスタを中心に押し進めていた「バルサ化」と完全に決別した。ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督時代、現在の主力選手たちが率先して選び取ったプレーモデルである。今さら、"もう少しうしろからパスをつなげて"という後戻りはできない。何より、彼らはそうやって勝ち点を積み重ね、Jリーグ王者になったのだ。 ただし、相手は手ぐすねを引いて待っている。次戦は3月9日、神戸は敵地でFC東京と戦う。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki