プチ整形“注入治療の時代”は終わり? セレブも離れ始めているわけ
フィラーの価値
後悔からフィラーを溶解しようとする人がいる一方で、フィラーよりも新しく、侵襲性の低い施術を選ぶことで、この問題を最初から回避している人もいる。「少し前まで医師たちは、顔のしぼんだ部分を膨らませることだけを考えていました」とエステバネス医師。 「でも、いまは効果的な施術がたくさんあります。ハーモニカ(HArmonyCa)はコラーゲンの生成を促す画期的な最新のフィラーですし、コラーゲン合成を促進する臨床治療もあります」 モフィウス8(Morpheus8)はマイクロニードルと高周波RF(ラジオ波)を用いてコラーゲンの生成を促進し、肌を引き締め、シワを伸ばす施術で、多くのファンを獲得している。ソフウェーブ(Sofwave)は肌の引き上げ&引き締めによる小顔効果が非常に高く、長続きするとのことで施術者の注目を浴びている。つまり、リフトアップの方法は、もはやフィラーだけではないということ。 それでも今回話を聞いた専門家の面々は、フィラーがすぐに消えることはないと言う。ショッター医師によると、それはフィラーの「インパクトが控えめであると同時に劇的でもある」からだ。ゆえに彼女はフィラーに対する規制が強化され、悪質で危険な施術が過去のものになることを望んでいる。英国で非外科的な美容医療に携わる人の会員組織Joint Council for Cosmetic Practitionersは昨年、規制の枠組みの設定を求めた。現在は公的な協議プロセスに入っている。 目標の2025年7月までに実現する可能性は低いけれど、この枠組みでは、フィラーの注入に必要な教育レベルが引き上げられる予定。自分の顔に何をするかは最終的に個人の判断。でも、誰に針を握らせるのか、その人物に針を握る権利(資格や経験)があるのかは、よく考えたほうがいい。そして、どんなにフィラーを注入しても自尊心は向上しない。自尊心を向上させるのは自分自身。