「落ち込まない人」がしている“たった2つの習慣” 感情に振り回されないメンタルを手に入れるためにすべきこと
このお薬のよい点は、「自分のメンタル」と「それを観察する自我」を切り離せる、という点だ。暴れ回るメンタルを、冷静な自我で、慈愛に満ちた親のように微笑ましく見つめてあげるのである。 暴れ回る我が子に対して親のやるべきことは、次のとおりだ。 我が子が他人にやつあたりする前に、我が子を抱きかかえダッシュ。そして一人になれる環境(自宅や休憩所)などに連れていってあげ、暴れる我が子が落ち着くのをやんわりと待つ。
先ほど説明したように、メンタルというのは「自動コントロール」が機能するのをひたすらに待つしかない。 一般的に「アンガーマネジメント」と言われる、怒りをコントロールする方法もこれと一緒だ。 大事なのは、メンタルと自我を切り離すことなのである。 【お薬その②】スーパー解脱ジェネリック 2つめのお薬は、名前のごとく、解脱するんじゃないかというぐらい精神を解き放つ離れ技である。 これは私も週2で使っている、仏教の開祖・釈迦を真似して編み出したジェネリック仏教医薬品である。
これのやり方は次のとおり。 空を見上げて「空は……青いなあ……とても」。 海を見て「海は……広いなあ……本当に」。 マッチョを見て「筋肉でかいなあ……ムダに」。 など、「すべてを悟り解脱する釈迦モード」に切り替え、達観してから、自分のメンタルに向き合うようにするのだ。 このモードに入ると、自分のすさんだメンタルを目の前にしても、すべてを悟った釈迦のような、やわらかかつ温かい気持ちで「自動コントロール」を待つことができるのである。
■メンタルの不安定さを受け入れる 相談者の一人である、ある30代の主婦は、家事に育児に忙殺されており、仕事から帰宅した旦那さんに対して、荒れたメンタルでゴジラのように大暴れしていたそうだ。 そこで、私から処方されたお薬「自分を遠くから冷めた目でミツメール」「スーパー解脱ジェネリック」を実践してみた。 するとどういうことだろう。 次の日から、あれだけツラく感じた子どものワガママを、「ああ……今日もワガママ言っているなあ……。我が息子は……順調」と、謎の広大な精神で受け止めた自分が、逆に面白くなったとのことだった。その後も、自分の不定期なメンタルの浮き沈みに遭遇しても、「人間感じるわぁ……。私、人間だなあ。人間やってるわあ」といった解脱っぷりで、自分のメンタルに向き合えているそうだ。
ここまで来ればもう怖くない。 すでに浮き沈みする自分のメンタルを受け止め、むしろ肯定的に見られているのだから。 メンタルに浮き沈みがあることは人間として当然なので、決して恥ずべきことではない。 それをむやみに抑えようとした結果、疲れてしまうことのほうが多い。 メンタルは不安定であることが正常だと認めよう。 メンタルの不安定さを尊重してあげるほうがよっぽど建設的で、人間らしく、賢く、おすすめなのである。
おばけ3号 :作家・コラムニスト/インフルエンサー