紅葉美しい秋の里山へおすすめのハイキング 中高年がけがなく楽しむための3つのポイント
「年齢にかかわらず、登山はそれぞれのペースで始めていただけますよ」。特に初心者向けのおすすめの山は、兵庫県南東部に位置する六甲山系。神戸市などの都市部に近い国立公園で、公共交通機関など登山口へのアクセスも良い。ロープウエーやケーブルカーもあり、ドライブで夜景を見に行くこともできる。「小さな子供からお年寄りまで、そして初心者からベテランまで楽しめます」
六甲山系にはたくさんの山があるが、中でも西部にある再度(ふたたび)山は整備された歩きやすい道が多く、初めての登山に最適。また、コースによっては最短1時間程度で登ることができる東お多福山もおすすめなんだそう。これからの季節、紅葉も楽しめそうだ。
■トレーニング、装備、遭難防止対策
しかし、山には危険も潜んでいる。
警察庁が公表している令和5年の山岳遭難概況によると、遭難の発生件数は3126件、遭難者数は3568人。統計の残る昭和36年以降、最多となっている。
実は私自身も今夏、けがをしたばかり。なんでもない段差で転倒し、腰や臀部(でんぶ)を強打した。休暇で3日連続登山をしていた最終日の下山途中。中高年の身体は自覚しているより疲労していたのかもしれない。
同概況によると遭難者のうち40歳以上が全体の79・9%。道迷いが33・7%と最も多く、次いで滑落が17・3%、転倒は16・9%だった。
年齢とともに体力も筋力も落ちる。「階段を上り下りしたりウオーキングしたりという日常のトレーニングや、定期的に登山をするなど体力維持は大事。太りすぎなどの体重管理にも注意したいですね」と木徳さん。また、道に迷った際は落ち着いて地図やGPSなどを確認。沢に下らず、道に戻れない場合は110番するなどし、ツェルト(簡易用テント)などをかぶって体が冷えないように待機して動かず待つことも重要という。
もちろん、ハイカットの登山靴や、速乾性のある下着、重ね着できる服装、レインウエアといった雨具など準備しなくてはならない装備はたくさんある。