秋田のスーパーにクマ、血を流し「痛い」と叫ぶ従業員…付近に住宅街「家に来ないか不安」
30日午前6時20分頃、秋田市土崎港西のスーパー「いとく土崎みなと店」で、男性従業員(47)が店内に侵入してきたクマ1頭(体長約1メートル)に襲われた。男性は頭をかまれたほか、顔などをひっかかれて軽傷を負った。クマは店内に居座り、市が箱わなを設置して捕獲を試みているが、午後7時現在、捕獲に至っていない。 【写真】男性従業員がクマに襲われた店舗
秋田県警秋田臨港署の発表によると、男性従業員は売り場とバックヤードをつなぐ出入り口付近でクマに襲われた。血を流してうずくまり、「痛い」と叫ぶ男性を別の従業員が見つけた。発見時、襲われた男性の約2メートル先にクマがいたという。
店内には当時、開店準備のため従業員が21人いたが、襲われた男性を除く20人は、店舗近くの同署に避難し、けがはなかった。店舗の出入り口と裏側のシャッターは、開店準備作業のため開けたままにしていたという。店はこの日臨時休業した。店舗を運営する「伊徳」(大館市)によると、営業再開は未定という。
市は午前11時過ぎ、店舗の2か所の出入り口付近に、クマの好物とされる米ぬかやハチミツなどを入れた箱わなを設置。その後、ドローンで店内の様子を確認したが、売り場内にクマの姿は確認できなかった。市はクマがバックヤードにいるとみている。
現場はJR秋田駅から北西に約7キロの住宅街で、近くには病院や小学校などがある。消防や県警が注意を呼び掛けるなど騒然とした空気に包まれた。
近くに住む70歳代男性は「午前7時前から消防が注意を呼び掛けていて気づいた。クマが逃げ出して家の方に来ないか不安だ」と表情を曇らせた。
県警によると、クマによる人身被害は今年11人目。夜間も警察官を配置して警戒を続けるという。