<高校野球>成長したエース西 95球、無四球で完投 筑陽学園に甲子園初勝利もたらす
わずか95球、無四球での完投。筑陽学園の右腕・西は「甲子園で1勝できて、自分もチームも自信が持てた」と笑顔がはじけた。 【今大会の全ホームラン】1試合2発 山梨のデスパイネ野村も登場 序盤から制球がよく、右打者へのスライダー、左打者へのツーシームが有効だった。四回こそ上半身に力が入って2点を失ったものの、捕手・進藤の「力まず、いつも通り投げろ」とのアドバイスを受け、リラックスしたフォームに修正した。五回以降は先頭打者を塁に出さず、危なげなかった。進藤は「どの球種もコントロールがいいし、内角も逆球にならなかった」と背番号「1」をたたえた。 昨秋の公式戦で注目されたのは、140キロ超の本格派で防御率0点台だった背番号「10」の西舘。西にはエースナンバーを奪われる危機感が増した。だから、この冬は成長しようと、ライバルの西舘からツーシームの握りを教わって習得。公式戦でツーシームを投げるのはこの日が初めてだったが、投球の幅が広がり、左打者が4人並ぶ福知山成美打線にも効いた。 西舘へ継投する江口監督のプランも安定感で覆した。「全部行ってやろうという気持ちで投げた」と西。成長したエースがチームに記念すべき甲子園初勝利をもたらし、次は初戦24得点の山梨学院に挑む。【新井隆一】