紀州のドンファン殺害、完全犯罪か事件性なき冤罪か 元妻に12日判決、間接証拠どう判断
事件約10日前に一緒に旅行し、離婚の現実味を示す証拠もないと指摘。結婚時の条件である月100万円の支払いも滞っておらず、「目先の利益派」を公言する被告が殺害を計画するメリットはないと訴える。
被告自身は法廷で金目的の結婚だったとは認め、野崎さんが死亡した際の感情は「どちらかといえば『無』」と表現。野崎さんに対し「もうちょっと死に方を考えてほしかった。あのタイミングで死んだせいで何年も人殺し扱い」と不満を述べる場面もあった。
■和歌山資産家殺害事件 和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さんが平成30年5月24日、自宅2階で急性覚醒剤中毒で死亡。和歌山県警は令和3年4月、殺人容疑などで元妻、須藤早貴被告(28)を逮捕し、和歌山地検が同罪などで翌月起訴した。55歳離れた2人は月100万円の支払いなどを条件に30年2月8日に結婚。わずか3カ月半後に事件が起きた。野崎さんは生前、多数の女性との関係を本に著し、欧州の伝説上の色男になぞらえ「紀州のドン・ファン」と呼ばれた。