「できる子」じゃなくても小学校受験に合格できる? 大手幼児教室に聞いた“最新お受験事情”
小学校受験をするなら、どんなことを経験させておいたほうが良い?
【すみれ】:どうしても人見知りで、お友達とうまくコミュニケーションが取れないお子さんもいます。そういう場合、どのように対策すれば良いでしょうか? 【杉本さん】:子どもはどうしても恥ずかしがりやな子が多いと思います。子ども同士を急に会わせても最初から仲良く遊ぶ、ということは普通できません。 ですから、これは受験するしないに関わらず、なるべく早いうちから親がいろいろな経験を子どもと一緒にすることが必要だと思います。例えば、 ・親子やほかの大人なども交えてたくさん話し、人の話をよく聞けるようにする ・読み聞かせをして楽しい話や悲しい物語などに共感して、いろいろな登場人物の状況に感動する心を育てる ・親子で「どう思った?」などのコミュニケーションをとって、人前で自分の気持ちを自分の言葉で話す経験をする ・複数のお友達と一緒に遊んで、人が嫌なこと、自分が嫌なことを経験し、共に楽しく遊ぶ経験をする ・親子で一緒に出掛けて、歩いたり、車や電車を使って人間の社会を肌で感じる経験を積ませる ・花や風景や絵画などを実際に見せて、何が美しいのか、どんな季節にどんなことやものがあるのかを経験させる というようなさまざまな経験を、親が間に立って積極的に経験させることが大事です。
親が時間を取れない…そんなときこそ学習塾を活用する
【すみれ】:親としても努力はしているのですが、なかなか時間を取ることが難しい面があります。 【杉本さん】:そういう場合に活用していただきたいのは、やはり、我々のような「学習塾」ということになるかと思います。特にお受験を考えていらっしゃるご家庭向けに、お子様をお預かりして、同世代の子どもたちとたくさん触れ合う機会を作ることができます。 実際に我々の教室に来るお子さまの中にも、最初は話の苦手な子がたくさんいます。先生もしっかりと見ていますから、必要な時に必要なアドバイスを個別に与えることができます。 当然ですが、子どもにとってはすべて初めての体験です。いろいろな場面を、多くの子どもたちの中で過ごすことで、様々な経験が蓄積されていきます。 「初めてのお友達と遊ぶときはどうすればいいのか」 「ほかの人に嫌な思いをさせないためにはどうすれば良いのか」 「ほかのお友達から嫌なことをされた時にはどうすれば良いのか」 「大人の先生にはどんなふうに話せばいいのか」 月並みですが、経験に勝る対策はありません。色々な人に出会い、色々な場所に行き、色々な場面に遭遇する。こうした多様な「経験」をすることで、様々な場面への対応力が付きます。 先生とお友達がいる環境で、協力して何かを行う経験を積む……という意味では、行動観察の授業も非常に良い場所だと言えますね。幼児期に、たくさんの子どもたちがいる環境で、自分自身と向き合う経験をすることは、一生の財産になると思います。 ーー次回は、「お受験塾」の授業は何をしているのか、特に最近の小学校受験で最も重要視されている「行動観察」の授業について詳しくお話を伺います。どうぞお楽しみに! お話を伺ったのは… こぐま会なでしこ教室統括 杉本さん 小売大手でのマーケティングマネージャーを経て、株式会社幼児教育実践研究所へ入社。国立小専門の塾なでしこ教室の運営やこぐま会ネットショップの運営を行う。 【Profile】すみれ(@suuuumam0513) 小4男子、小2年男子の二児の母。自身は中学受験を経験し、私立中高一貫校を経て大学へ。 出産を機に退職し、現在はフリーランスのWebライター、企業のインスタ運用を受託。 著書に「【幼児教室では身につかない】小学校受験 家庭でできる22のこと」(Amazon kindle)