「保存樹木だったケヤキ」はなぜ伐採されたのか、1本の大木が問いかける街づくりに欠けた視点
4月26日、大ケヤキの木はマンション事業者によって“計画どおり”伐採され、姿を消した。今回の問題を提起した飯田さんは今、大きな喪失感を抱えている。 「正直にいうと、自治体や開発事業者から面倒くさがられているだろうな、と思うこともあります。でも、私が声を上げなければ、あの場所に確かにあったケヤキの木が本当になかったことにされ、人々の記憶からも消えてしまう。これ以上同じことを繰り返さないためにも、私なりに発信する活動を続けていきたいと思います」(飯田さん)
日本では今後、空き家や相続問題、土地や建物の老朽化などもあり、各地で大小さまざまな開発が行われるだろう。多くは所有者や開発者の意向にそうことは「仕方ない」のかもしれないが、住民側も自らが住む地域に主体的に関わる意識を持つ必要があるのではないだろうか。
堀尾 大悟 :ライター