この夏、日本の宇宙開発の歩みを振り返る(2)
これらの動きを見てみますと、今後の日本の宇宙開発はやはり「民間」の関わりがカギを握ると痛感します。H3ロケットはこれから本格運用に乗り出しますが、信頼性や技術の進歩を培うには、やはり“場数”がモノを言います。場数を増やすには、将来的に新たな発射場を建設するか、民間を活用するといった方法が考えられます。いずれも現状はなかなか厳しいものがありますが、そんな中でのカイロスロケットの挑戦は、官民含めた打ち上げ機会を拡大するものとして、意義あるものだと思います。 春に策定された「宇宙技術戦略」では、今後10年間で総額1兆円規模の支援を目指す「宇宙戦略基金」も創設され、国内の宇宙ビジネスの活性化を目指しています。アメリカの昨年のロケット打ち上げ回数は民間企業の「スペースX」を含めて108回、アメリカのようなダイナミズムある世界にはまだまだですが、民間のパワーを加えて、日本の宇宙開発を一段上のステージに押し上げてほしいと思います。 (了)