一人暮らしの義母宅の冷蔵庫から漂う異臭。中を改めて絶句した夫と私に義母が放った「衝撃の言葉」は
病院嫌いの老人、どう説得してもかたくなに受診してくれない。いちばん「効いた」のはやっぱり…
お義母(かあ)さんは、昭和9年生まれの90歳。これまで大きな病気をしたことはなく、病院へはほぼ行ったことがない健康体。多少の怪我や風邪などは、気力で乗り越えてきたような方。親戚で集まったとき、「私、病院って行ったことないのよね。あっ、出産のときに行ってたわ(笑)」と話していたことが、今でも記憶に残っています。夫曰く、「母は相当な病院嫌い」だそう。 しかし、そんなお義母さんも90歳を目前に病院通いが始まりました。 通院先は「脳神経外科」、診断は「認知症」(軽度~中等度)。一通りの検査を終え、医師からは 「認知症は進行性の病気なので、基本的に完治は難しい」 「今後は薬で進行を緩やかにする」 「毎日を穏やかに過ごせるよう、家族や周囲の協力が必要」 といった説明がありました。 「これからは、月に1回顔を見せに来てくださいね」と優しく話す医師に向かって、「はいっ、分かりました!」と元気に答えるお義母さん。その姿を後ろで見ながら、「無事に終わってよかったよ……」と安堵の表情を浮かべる夫。確かに病院へ行く習慣がない中で、「どうやって連れ出すか」は大きな壁でした。 当時は認知症を疑う出来事が続いていたため、私たちは早く病院へ連れていかなきゃ!と焦り、それを察したお義母さんは、ますます病院への抵抗感を示していきました。でも、ここで負けるわけにはいきません。 まずはダメもとで「認知症の検査に行こう」と直接的なアプローチをしたところ、「何? そんなの必要ないから」とあっけなく断られます(想定内)。次に「健康診断を受けよう」(実際に血液検査やレントゲンなど身体検査も行うため)と声をかけてみましたが、何だが疑心暗鬼な様子。 でもあるとき、地元の友人に「私たちはもう高齢者だから、毎年の健康診断は大事よね。ちゃんと受けてるでしょ? まさか、受けてないの?」と言われたらしく、数日後「病院へ行ってもいいよ」と承諾してくれたのです。(グッジョブ! お友だち) 前編記事では義母が通院するまでの経緯をお伝えしました。続く後編では、「この状態」が出たら認知症を疑ってほしいという症状についてお話します。
フリーライター 小林真由美