「すごい価値がある」累計1400万部、都市伝説級の編集者が20代の頃に欲しかった魔法のような一冊(レビュー)
忙しい日々、その中でも自らをアップデートしたい……。 そんな方のためにビジネスパーソンが読むべき本を、120万人が利用する本の要約サービスが厳選し、紹介するのが『必読ベストセラーを超要約! ビジネス書大全 一生モノの仕事力が身につく名著100冊を1冊にまとめてみた』だ。 評者の柿内尚文さんはこれまで多数のベストセラー作品を企画してきた名編集者だ。「ビジネス書を読むことで人生が切り開かれた」という彼が、本書をおすすめする理由を、自身のエピソードを基に語る。 ***
「なぜ、この本を読むべきか」 「まとめる」ことには、すごい価値がある。そう思います。 大学時代の話です。不まじめを絵に描いたような学生だった僕は、大学の授業にもほとんど出席せず、テスト前にクラスメイトに授業のノートを借りて、試験に臨んでいました。 クラスメイトのノートはうまくまとめられていて、授業に出ていない僕にも要点がよくわかるものでした。クラスメイトのノートに助けられ、どうにか単位を取ることができ留年せずにすみました。僕にとっては魔法のまとめノートでした。 「ビジネス書大全」を読んで思い出したのが、このエピソードです。 この本には、ビジネス書ベストセラーの要点がつまっていて、まるでビジネス書の「まとめノート」のようです。 まとめられていることの価値は、この3つではないでしょうか。「大切なところが抽出されている」「要点がまとめられている」「復習がしやすい」。 本は、読んでも忘れてしまうことも多いと思います。 でも、この本のようにまとめられていれば、読み返すことでエッセンスを復習することができます。思い出して、実践できれば、人生を変えることもできると思うのです。 僕自身、ビジネス書を読むことで人生を変えてきました。 僕の人生は、ビジネス書を読むことで切り開かれたといっても過言ではありません。ダメな自分、仕事ができない自分に辟易していた20代のころ、どうにか自分を変えたくて救いを求めたのがビジネス書でした。たくさんのビジネス書を読むことで、仕事で大切なエッセンスに気づくことができました。 当時は、読んだビジネス書の要点を自分でノートに書き写し、まとめノートをつくっていました。そして、ノートに書いたことを実践することで、少しずつ人生を切り開いていきました。 この本がその当時にあったなら! 本書を読んでそうおもいました。ノートに自分で書き写すことなく、この本を読んで、この本に書かれていることを実践していたら、もっと早く自分の人生を切り開けたかもしれません。そのくらい、大切なところだけを抜き出して、まとめてくれています。 それともうひとつ、この本はビジネス書をつくっている編集者にとっては虎の巻にもなります。ベストセラーはどういう要素で構成されているか、「ビジネス書大全」を研究することでヒットの構造がわかるのです。 さっそく僕も研究を始めようと思います。 [レビュアー]柿内尚文(編集者・コンテンツマーケター) 編集者・コンテンツマーケター。株式会社アスコム常務取締役 長年、雑誌と書籍の編集に携わり、これまで企画した本やムックの累計発行部数は1400万部以上、10万部を超えるベストセラーは60冊以上に及ぶ。現在は本の編集だけでなく、編集という手法を活用した企業のマーケティングや事業構築、セミナーや講演なども行う。日本ネーミング大賞審査委員。また作家としても活動。著書『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください』『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』はベストセラーに。 協力:新潮社 新潮社 Book Bang編集部 新潮社
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