【独自取材】「アイツが殺したんだ!」八田容疑者を知る人々の“証言”から見えた事件の新事実 別府ひき逃げ事件
■マッチングアプリで出会った女性の証言
女性は、八田容疑者との出会いについて「マッチングアプリで知り合った」と明かし、美容関係で働いていたため、メイクにこだわっていると聞いて会ってみたいと思ったという。そのころの八田容疑者は金髪でメイクをしていて、「メイクが得意」と語っていたそうだ。 デート当日は、会ってすぐにカラオケに行き、仕事や恋愛、美容のことなどについて話した。「俺は機械系の仕事をしている。でもいつかはこの仕事を辞めて、資格取るために勉強してるんだ」「美容関係は俺も興味ある。メイクをしないと外歩けない。だから家を出る前は結構時間がかかるんだよね」。 さらに、出会って間もない中、八田容疑者は女性に「本当に好きなんだよね」「付き合って」と言い、いきなり女性を抱きしめてキスをした。女性は「その後も圧が強くて怖いなと思った」と明かした。 しかし、出会って2カ月後、八田容疑者に送ったLINEは既読にならず、連絡も取れなくなったという。そして、その女性とマッチングアプリで出会ってからおよそ10カ月後、ひき逃げ事件が発生した。 八田容疑者はマッチングアプリで次々と女性に会っていたことが取材でわかっている。
■事件当日に起きていたこと
その日、八田容疑者は会社を休んでいた。午後4時過ぎ、のちに大学生とハチ合うショッピングモールでコップを購入していた。防犯カメラ映像からは、几帳面で綺麗好きな性格が見て取れた。 大学生2人はバイクで古着屋へ行き、その後フィルムカメラを見に行こうとなりショッピングモールへ移動した。結局気に入ったものがなく、2人は駐輪場に戻った。そこで大学生(亡くなった大学生)のもとに八田容疑者が歩み寄ってきた。「お前、何見てんの?」「はあ?」「ケンカ売ってんの?」「あ、いや、すいません。ほんとすいません」といったやり取りがなされた。 その光景を離れた場所で見ていた大学生(けがをした大学生)は、先輩に会って挨拶をしているのかと思ったという。その後「知り合い?」と尋ねると、「いや知らん人だよ。なんか因縁つけられて。とりあえず面倒臭かったからごめんなさいって謝ったけど。ほんま変なやつやったわ」と話していたそうだ。 その後、大学生2人はバイクに乗ってショッピングモールを後にした。赤信号で止まっていた際に「さっきの気にするなよ。どうせ変な奴に決まっているから」「おう」と話をしていた。それが2人の最後の会話となった。 後ろから、車のエンジン音とアクセルを踏み込むような音が聞こえ、軽自動車にはねられた。大学生(けがをした大学生)は、地面に叩きつけられたものの意識を取り戻した。大学生(亡くなった大学生)は道路に倒れ込み、駆けつけた人々が必死の介抱を行なって、後に病院に搬送された。 病院に来るよう言われた母親は、車で急いで向かった。その途中、病院から電話があり、息子が心肺停止の状態であると伝えられた。母親は過呼吸に陥り運転が不可能となってしまった。やがてタクシーに乗ってやってきた父親が追いつき、病院に到着すると主治医から「色々手を尽くしたのですが…残念ですが……」と告げられた。 後日、亡くなった大学生の父親は、大学生(けがをした大学生)から「(亡くなった大学生は)アイツに殺されたんです!」「一方的にいいがかりを付けられて…ただ頭を下げて謝っていました」と事件当日に起きたことについて説明された。