「トマトのフレグランス」が世界的に人気! 香水業界の新トレンドが支持されている理由
私たちの個性をより強調するエッセンスとして欠かせないフレグランス。香り豊かなアイテムが世界中に溢れるなか、今新たなトレンドとして注目されているのがキッチンでおなじみの“トマト”の香りだ。トマトの香りが世界的に支持されている理由を、US版「エル」が専門家とともに考察。
トマトの香りの可能性
フレグランスのスター原料のなかで、調香師が何度も繰り返して使う香りがある。例えば、バニラ、タバコ、ムスク、イランイラン、ピオニー、ジャスミン、オレンジなど。これらの香りは、全て新しい香水やキャンドルの調香の選択肢になっている。 しかし、あらゆる予想を覆して今シーズンで最もホットな香りは何と、他ならぬトマトなのだ。
「野菜には独自の魅力を伝える広報担当がいます」と、話すのは「フラミンゴ エステート」で製品イノベーションのヘッドを務めるビクトリア・コラレスは、最近のトマトルネッサンスに関してそう話す。 「人々は、よりいい香りのするキャンドルを探しています。なぜなら、私たちが食べているものや興味を持つものを映し出す鏡になるからです。私たちは、野菜や果物が香水の世界において、それぞれリブランディングを経験するのを見てきました。そして、トマトは全ての要素において最も魅力あるものとなったのです」
ここ数年でトマトの香りの人気が飛躍
トマトが世界中の香水ファンのドレッサーを美しく飾ることから離れ、野菜の一つになりすましてキッチンに追いやられたのは、それほど昔のことではない。しかしこの1~2年で、この意外な香りは今や美容業界の寵児となった。 「アポテーケ」や「ネッテ」、「ロエベ」、そして「マリン+ゴッツ」といった、人気のフレグランス&ホームブランドによると、トマトの香りの継続的な成功は、少し予想外だったといえ、歓迎すべきことだという。
「私は実際、この香りを誰も楽しむことはないと思っていました。あるいは、あまりにも変わっていると思っていました。今では圧倒的に、この製品が我々のベストセラーです」と、「フラミンゴ エステート」の創業者リチャード・クリスチャンセンはこう話す。 トマトの香りは特に、夏のトレンドとなるだろう。しかし、この香りがフレグランスの分野に登場するのは初めてではない。むしろ、トマトの香り全般に対する消費者の姿勢、そして一般的にトマト自体が変化しているのだ。 「アポテーケ」の創始者クリッシー・フィヒトルは、9年前にこの香りをラインナップに加えたブランドを立ち上げたにもかかわらず、ここ数カ月で“トマト タラゴン キャンドル”の売上が急上昇していることに気づき、この変化を理解した。