「トマトのフレグランス」が世界的に人気! 香水業界の新トレンドが支持されている理由
トマトの香りに込められたストーリー
この調香を担当したカリーヌ・シュヴァリエの場合、トマトの香りを認識できるよう再現するために、カシスサルファーのようなグリーンとフルーティな香りの組み合わせを用いた。なお、プルヴォストはトマトの葉をくしゃくしゃにしたものに近いと説明している。 「トマトの香りは、クリエイティビティを持つ必要があります」とハン・パイルは言う。 「熟したトマトは、通常、強い香りを放つことはありません。かなり水っぽいものです。だから、トマトの香りに対してどういう感覚を持つか、そして自身がどう感じるかというストーリーをつくる必要があります」
彼女のブランド「ネッテ」では、バジル、ミモザ、オレンジフラワーのような香りを“レディ トマト キャンドル”に採用。トマトに囲まれているような瞬間をとらえるために、海塩も含めたという。 「トマトと聞いて想像するものとは反対に、私たちのトマトキャンドルは、フレッシュでグリーンです」と、「マリン+ゴッツ」の共同創始者アンドリュー・ゴッツは言う。 「トマトの果実ではなく、植物と葉からインスピレーションを得ています。バジル、ほのかなラベンダー、グリーンアイビー、ミント、そしてシダーウッドとグリーンペッパーの香りを基調としています。 キャンドルに火を灯すときに、公園に身を置いているような気分になるでしょう」
心に調和をもたらしてくれる香り
実際に、家や庭、バケーション、そしておばあちゃんの台所との繋がりを思えば、トマトが美容やホームケアの分野でトレンドになっていることは、それほど驚くことではない。 結局のところ、パンデミックによるおうち時間を経験した今、友人や家族と過ごしたシンプルな時間を再現できるものとして、トマトは夏の香りライブラリーに付け加えるべき完璧な香りの響きだと言えるだろう。(Realization : HANNAH BAXTER 、Translation & Text : Nathalie Lima KONISHI)