【日本シリーズ2024】本拠地でまさかの3連敗 与田剛が指摘した「ソフトバンクの焦り」を感じた2つのシーン
── ソフトバンクは本拠地で3連敗を喫し、王手をかけられました。今のソフトバンクに必要なことは何でしょうか。 与田 基本に立ち返ることだと思います。ピッチャーはストライクゾーンで勝負する、バッターはボールを引きつけてセンターから逆方向を意識する。ソフトバンクの打者を見ていると、打ちたいという気持ちが強すぎるあまり、右打者ならレフト方向、左打者ならライト方向に体が向かっている。そうなると体が前に出されますから、変化球に対応できない。力のある選手が揃っていますから、ちょっとしたキッカケで変わる可能性は高いと思います。 ── DeNAは王手をかけて本拠地に戻ってきます。一気に決めたいところですよね。 与田 ソフトバンクは有原航平投手、リバン・モイネロ投手が控えていますから、DeNAも簡単ではないと思っているはずです。あと気になるのは、土曜日の天候ですよね。雨で中止になった場合、これがどっちに有利に働くのか。DeNAとすれば、東克樹投手、アンソニー・ケイ投手の登板が可能になるかもしれない。その一方で、2日空くことになれば流れが変わってしまうかもしれない。こればかりはやってみないとわからないですが、いずれにしてもいい試合を期待したいですね。 与田剛(よだ・つよし)/1965年12月4日、千葉県君津市出身。木更津中央高(現・木更津総合高)から亜細亜大、NTT東京を経て、89年のドラフトで中日から1位指名を受け入団。1年目から150キロを超える剛速球を武器に31セーブを挙げ、新人王と最優秀救援投手賞に輝く。96年6月にトレードでロッテに移籍し、直後にメジャーリーグ2Aのメンフィス・チックスに野球留学。97年オフにロッテを自由契約となり、日本ハムにテスト入団。99年10月、1620日ぶりに一軍のマウンドに立ったが、オフに自由契約。2000年、野村克也監督のもと阪神にテスト入団するも、同年秋に現役を引退。引退後は解説者として活躍する傍ら、09年、13年はWBC日本代表コーチを務めた。16年に楽天の一軍投手コーチに就任し、19年から3年間、中日の監督を務めた
スポルティーバ●文 text by Sportiva