「59種類の栄養素」を持つ「ミドリムシ」はじつは「虫」ではない…「飲むユーグレナ」に関する意外と知られていない事実
消費者からの反応があることが喜びに
ここ数年は、製品の味や中身、品質ではなく、パッケージなど外側に対する改善を行うことが多くなっています。例えば、文字の色について。個包装の商品はパウチが銀色に緑色のデザインだったので、それにあわせて商品名や保存方法など必要な情報も緑色で記載されていました。でも、それでは見づらいという声が届き、黒色の文字に変更したことも。 また飲むユーグレナのパウダータイプは個包装となっていて、口部分を切り取って飲みますが、開けにくいという声もありました。1回、2回のことなら気にしないのでしょうが、毎日開封して飲むとなれば、開けにくさはストレスとなります。改善して欲しいという声もあり、今は開けやすいように改良されました。これらの改善をしていくとユーザーからは「ありがとう」という嬉しいフィードバッグが届きます。それがとても嬉しいですし、そのような意見を言ってくれるお客様がいること自体に喜びを感じているそう。 というのも、2014年当初は、そもそもミドリムシの商品があまり知られておらず、マイナスの意見さえもなかったからです。当時と比べれば、いろいろな反応があることでユーザーがいることを実感できるようになりました。反応がないことが一番辛い。それを経験しているからこその感覚なのでしょう。だからこそ、小さな要望であっても無視することはないと出雲社長は力強く話してくれました。 ここで1つ筆者からも出雲社長に直接要望を伝えてみました。筆者はメディカプラス オメガ3を飲んでいますが、筆者にとっては粒が大きいのです。今は1日4粒が目安。仮に5粒になったとしても小さくして欲しいと伝えたところ、出雲社長はきちんと受け止めてくれました。理想は4粒のままで粒を小さくすることですねと。近いうちに粒が小さくなるかもしれません。
野菜嫌いの子どもたち、そして親たちのために子ども向け商品を開発
2024年に、子どもむけの「からだにユーグレナ」が発売になりました。含まれる栄養成分は59種類で他のドリンクと同じです。味に関してはフルーツミックスといちごミックスの2種類で、小さい子どもでも飲みやすい味にしました。ちなみに大人用にもいちご味はありますが、それと子ども向けのいちごミックスは味わいが違っています。より子どもが飲みやすいようにフレーバーを変えているのです。 子ども向けのドリンクを作ったのは、ユーグレナを買う30代~40代へのヒアリングで、あることがわかったからです。それは、この世代は自分で飲むのではなく、子どもに飲ませているということ。自分の健康も大切なのは理解していますが、子どもの食事や栄養を心配しているのです。 共働きの場合、食事に時間をかけるのが難しい場合もあります。それに子どもがアレルギーを持っていたり、好き嫌いが激しかったりすれば、栄養バランスを考えた食事の準備をするのは親御さんにとって大きな負担になってしまいます。ストレスもたまりますし、子どもが食べないとなればイラっとして怒ることもあるのでしょう。そのようなことが起きないようにしたいという思いで、毎日1本飲むことで足りていない栄養成分を摂取できるドリンクをつくりました。もちろん、これ1本飲めば食事は不要ということではありません。基本的な食事をしながら、不足分を補っていくという考えです。 でも、子どもの食事に悩む親御さんからすれば、不安や苛立ちの解消にはなるはずです。もしかしたら「逃げ道」と思われるのかもしれませんが、子育て世代に逃げ道は必要と筆者は考えます。 飲むユーグレナ、飲むミドリムシ発売から10年。その間出雲社長は決して諦めることなく、ミドリムシを信じてきたのでしょう。実は10年以上前に出雲社長と話をする機会があり、「自分がこれだ!と思って信じて進んでいると、それ、いいねと言ってくれる仲間ができるものなんです」と話していたのをよく憶えています。「からだにユーグレナ」も、いいね!と言ってくれる人がたくさんいます。あの時の言葉は本当だったのだなと、今になって思います。 次の記事<忙しくてご飯を食べる時間がない朝にちょうどいい…電車や車の中でも食べられる「タイパ抜群」の食べ物>では、話題となったコラボ商品や、ドリンクや企業としての「ユーグレナ」が長く愛される理由についてお聞きしていきます。
川崎 さちえ(フリマアプリ・ネットオークションガイド)