「59種類の栄養素」を持つ「ミドリムシ」はじつは「虫」ではない…「飲むユーグレナ」に関する意外と知られていない事実
世の中には健康に関連した食品が無数にあります。健康を意識している人でも選ぶのが難しいくらいの数ではないでしょうか。そして発売されては消えていくことを繰り返している中で、2024年で10周年を迎えるあるドリンクがあります。株式会社ユーグレナが販売する「からだにユーグレナ」です。実はこのドリンク、ちょっと変わったイキモノを取り入れています。だからこその苦労もあったそう。株式会社ユーグレナ(https://www.euglena.jp/)の出雲充社長に話をお聞きしました。 【マンガ】カナダ人が「日本のトンカツ」を食べて唖然…震えるほど感動して発した一言
「ミドリムシ」を使った食品を売るのは難しい。闘い続けた10年
まずは、「ミドリムシ」について軽くおさらいをしておきましょう。多くの人が勘違いをしている可能性がありますが、「ミドリムシ」は「ムシ」ではありません。藻類の一種で、学名をユーグレナと言います。59種類の栄養素を持つ特徴を活かして健康食品が開発されていて、他にもミドリムシ由来のバイオディーゼル燃料やバイオジェット燃料の研究も進んでいます。 今でこそ「ユーグレナ」を知っている人は増えていますが、現在の「からだにユーグレナ」が発売になった2014年は「ユーグレナ」や「ミドリムシ」が全く認知されていない状況でした。創業者である出雲社長も、実際に販売してみないとわからなかったと、当時を振り返ります。 出雲社長としては、ミドリムシは59種類の栄養素を持っていて健康に寄与するものだし、こんなに素晴らしいものはないと確信していました。でも、消費者はどの会社が作っているのかを気にするもの。株式会社ユーグレナと聞いてもどんな会社なの? と思う人が多かったのです。しかも株式会社ユーグレナが扱うのは口に入れる食品です。体内に入れても大丈夫なのかという疑問も根強くありました。出雲社長が「食品を売ることがこんなに大変なこととは思いもよりませんでした」と言うように、当時はトライ&エラーの繰り返しだったそうです。 今は「からだにユーグレナ」という商品名になっていますが、発売当初は西日本では「飲むミドリムシ」、東日本では「飲むユーグレナ」としていました。なぜ商品名を変えたのかというと、「ユーグレナ」と「ミドリムシ」ではネーミングとしてどちらがよいのかを判断するためです。結果は「ミドリムシ」の方が消費者の反応がよく売り上げも高くなったので、その後しばらくは「ミドリムシ」をメインに使った商品として販売することになりました。 販売といっても、まだまだ「ミドリムシ」は知られていませんから、苦戦は続きます。発売まもない時期には「ミドリムシ」が珍しく面白いと思われることもある一方で、「ムシ」と勘違いされてしまうことも。「ムシを使うなんて……」という強い抵抗感を覚える人も少なくない中、それでも口にしてくれる人もいました。そのようなユーザーからは味に対しても厳しいフィードバッグもあり、出雲社長にとっては、お客様からの意見と真摯に向き合い、それを改善し続けた10年でした。