三浦知良が目を輝かせて「ボールまたいで、エラシコやって」 57歳のサッカー少年は今オフもストイックに過ごす
【鈴鹿にポジティブな空気を吹き込んだ】 日本のサッカーが地域に根づいてきた歩みは、そのままカズの足跡に重なる。ポルトガル2部のオリヴェイレンセから国内へ復帰した2024年は、横浜FCからの期限付き移籍でJFLのアトレチコ鈴鹿でプレーした。 2022年に所属した古巣で7月14日にデビューを飾ると、10試合連続でピッチに立った。10月26日のソニー仙台FC戦では、スタメンに名を連ねて後半10分までプレーした。その後はケガで3試合出場を見送ったが、11月24日の最終節で途中出場している。 アトレチコ鈴鹿への期限付き移籍を決断した理由が、まさに出場時間だった。 「どのチームでも出場することが保証されたわけではなく、必ずしもどれだけ出られるのかはわかりませんけれど、可能性を考えた時に選択肢のなかで一番高いのは鈴鹿だった」と話していた。 はたして、主に後半途中からの交代カードとして、カズはチームのオプションとなった。試合展開やスコア、攻勢か劣勢かなどを踏まえて、その時々でプレーを使い分けていった。ディフェンスにも献身的なその姿勢は、チームにポジティブな空気を吹き込んだと言っていい。 2024年夏の時点で、鈴鹿とは1年半の契約を結んでいる。着実にプレータイムを刻んだ今シーズンは、2025年シーズンへつながっていくはずだ。 「つなげていきたいですね」と、カズもうなずく。今シーズンは16チームで11位に終わったチームの成績にも、しっかりと目を向けている。 「もうちょっとチームの結果と、個人的な結果と数字を上げたい。そういう意味でプレータイムを刻んだのは大きいと思いますので、来シーズンへ向けていい準備をしていけたらと思っています」 南さんの引退試合では、ピッチに立ってすぐにペナルティエリア内でDFと1対1になり、華麗なステップでスタンドをどよめかせた。「ボールまたいで、エラシコやって。ああいうのを本番でやりたいですね」と、瞳を輝かせる。