インドは新しい半導体ハブとなるか 初の300mmファブ建設へ
サプライチェーン再編で新たな半導体ファブとなるか
インドは数十年間にわたって国内における半導体産業の構築を目指してきた。今回のTataとPSMCの提携のほか、2024年9月に初開催された「SEMICON India」にモディ首相と世界の半導体企業の幹部たちが参加したことなどもあって、その勢いを加速させている。 現在、米中間の技術覇権争いが繰り広げられ、半導体業界がサプライチェーンの再編を進める中、インドは新しい半導体製造ハブとして欠けたピースを埋める可能性を秘めている。 ホワイトハウスが2024年9月21日(米国時間)に発表した声明によると、米国のジョー・バイデン大統領とインドのモディ首相は、国家安全保障や次世代通信、グリーンエネルギー用途などに向けた高性能センシングや通信、パワーエレクトロニクスなどを製造する半導体工場をインド国内に建設する協定に合意したという。 その工場ではインド半導体ミッション(ISM)による支援を受け、赤外線/GaN(窒化ガリウム)/SiC(炭化ケイ素)チップを製造する予定だという。バーラト半導体研究センターやインドの半導体設計メーカーである3rdiTech、米国宇宙軍がパートナーとして提携する。 ホワイトハウスの声明では、投資パートナーや工場の場所などに関する詳細は明らかにされなかった。米国のニュース専門チャンネルであるCNBCによると、このプロジェクトは北インドのジュワール近郊で行われる計画だという。
半導体投資も相次ぐ
現在、さまざまな多国籍半導体メーカーがインドに投資している。GlobalFoundries(以下、GF)は2024年7月に、インドのTagore Technologyが自動車やIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)データセンターのパワーアプリケーション向けに開発したGaN IP(Intellectual Property)ポートフォリオを買収した。この買収により、Tagore TechnologyのエンジニアチームがGFに加わることになる。GFは、インドへの投資を継続していく予定だとしている。 同年9月にはTata GroupとAnalog Devicesが、製造パートナーシップの可能性を模索するための戦略的提携を発表した。 ロイター通信が同年9月6日に報じたところによると、イスラエルのTower SemiconductorとAdani Groupは、インド西部のマハーラーシュトラ州の半導体プロジェクトに100億米ドル相当を投じる予定だという。 Micron Technologyは2023年に、インドのグジャラート州に組み立て/テスト工場を建設する計画を発表した。この工場は2024年後半に稼働し、国内外市場向けのDRAM/NAND製品のパッケージングとテストを行う予定だ。 【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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