プレリュードの歴史、その前奏曲。国産初の電動スチールサンルーフを標準装備
大きな成功を収めた後継モデルに埋もれた初代。しかし、新設計シャシーによる高い走行性能や日本初の装備などクルマとしての内容はホンダらしい情熱と工夫に満ち、新たな時代の到来を予感させるものだった。 【画像24枚】プレリュードとは、前奏曲を意味する。2代目以降のイメージが強いが、歴史はこの一台から始まった。前期はE、後期はTとEグレードを除き国産初の電動スチールサンルーフを標準装備。80年1月にサンシェード付きスモークドガラス仕様が追加され、オプションで選択できるようになった。この個体はルーフ開閉動作が非常にスムーズで、雨漏りもなし 【1982年式 ホンダ プレリュード XXR】 プレリュード=前奏曲。長い音楽史のなかで、時代の移り変わりとともに位置付けや構成は変わっているが、一般的にオペラの幕が開く前や大規模な楽曲の前に演奏される曲のことを指す。転じて前触れや先駆けという意味も持つ言葉だ。1978年に誕生した初代プレリュードは、80年代の幕開けに備えたホンダの新たな提案だった。 ハチマル世代のプレリュードと言えば、リトラクタブルヘッドライトにスタイリッシュなデザインで人気を集め、「デートカー」という言葉を生み出した2代目、その正常進化版で世界初の4WSの搭載が話題となった3代目を、真っ先に思い浮かべるだろう。その一方、初代は多くの人の記憶に埋もれてしまっているかもしれない。 当時のホンダの基幹車種はシビックとアコードの2つ。どちらも地盤を堅め着実に販売台数を確保していたが、多様化する時代のニーズや好みに対応するために、プレリュードを開発したのだ。ホンダ久々の2ドアクーペとなるボディは、サイドパネル一体式のモノコック構造を採用。さらに、エンジンルームのサブフレームをモノコックボディと一体化、前後ピラーなどを二重箱構造とすることで軽量化と高剛性を実現した。 主要諸元 Specifications 1982年式 ホンダ プレリュード XXR 全長×全幅×全高(mm) 4090×1635×1290 ホイールベース(mm) 2320 トレッド前/後(mm) 1400/1410 車両重量(kg) 950 エンジン型式 EK型 エンジン種類 直列4気筒SOHC 総排気量(cc) 1750 ボア×ストローク(mm) 77.0×94.0 圧縮比 8.8:1 最高出力(ps/rpm) 97/5300 最大トルク(kg-m/rpm) 14.3/3500 変速比 1速2.047/2速1.370/3速0.969/ 最終減速比 3.105 ステアリング ラック&ピニオン サスペンション ストラット(前後とも) ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク タイヤ 175/70HR13(前後とも) 発売当時価格 178.4万円 初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部