東山動植物園に「新ジャガー舎」完成 日本一深いプールで泳ぐ姿も
東山動植物園に「新ジャガー舎」完成 日本一深いプールで泳ぐ姿も
名古屋市の東山動植物園に「新ジャガー舎」が完成し、報道関係者向け内覧会が20日に開かれた。中南米の生息環境に近い屋外運動場や日本一深い温水プールなどが整備され、ジャガーの野生本来の行動を観察できる。一般公開は24日から。
3年間で10億円かけ新施設整備
1937年開園の同園100周年に向けた再整備の一環で、3年間に約10億円をかけて人気ゴリラ「シャバーニ」などのいる北園の一画、約1000平方メートルを整備した。 屋外運動場は小山のような斜面や岩場があり、ネコ科であるジャガー特有の立体的な動きを間近に見ることができる。 屋内展示場は擬木や草で熱帯雨林のような雰囲気を醸し出し、深さ約2メートルの温水プールではジャガーが巧みに泳ぐ様子をガラス越しに観察できる。
神戸から黒いメスの「マヤ」も来園
ジャガーはメキシコを中心とした中南米大陸に生息。乱獲などで野生の数が減っており、保護活動が続けられている。また、名古屋市は1978年にメキシコシティと姉妹都市提携を結んでおり、こうした友好関係やメキシコの文化を紹介する展示もある。 今回の新施設整備に合わせ、神戸市の王子動物園から2歳のメス「マヤ」が来園。内覧会ではなかなか展示場内に姿を見せなかったが、徐々に環境に慣れてきているという。一方、もともと東山にいたオスの「アスカ」は19歳と高齢で、新施設に移せるかどうか慎重に見極めている最中だという。 マヤは黒く、アスカは黄色地に黒の斑点模様と見かけは違うが、種としては同じジャガー。飼育員は「ジャガーとヒョウの違いを説明する映像展示などもあるので、ぜひ見に来て学んでほしい」と話していた。 (文・関口威人、動画撮影・中村幸徳/nameken)