空中歩くトラ、希少オランウータンなど間近に 東山動植物園の新獣舎が14日からオープン
空中歩くトラ、希少オランウータンなど間近に 東山動植物園の新獣舎が14日からオープン
名古屋市千種区の東山動植物園にアジアの熱帯雨林エリアとして「新トラ・オランウータン舎」が完成し、11日にメディア向け内覧会があった。スマトラトラが空中のチューブを渡る姿など、これまでとは違った迫力ある展示施設で希少種の生態を見ることができる。
東南アジアに生息する3種をまとめて展示
1937年開園の同園100周年に向けた再整備の一環で、東南アジアの森林に生息する動物をまとめて飼育、展示するための施設を造った。 スマトラトラには高低差のある屋外運動場を整備。来園者はチューブ状のおりを歩くトラの体を下から眺めたり、水浴びしている姿をガラス越しに観察できたりする。 スマトラオランウータンの施設は樹上で生活する本来の環境に近づけるため、約15メートルの鉄製のタワーやしなるポールなどが立てられた。キジの仲間のコサンケイにはベトナムの樹林地を再現した屋外運動場ができた。
いずれもレッドリストで絶滅危険性の高い種
3種の動物はいずれも国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅の危険性が極めて高い「CR」とされている。 東山動物園の今西鉄也副園長は「スマトラトラは仙台市の八木山動物公園と連携するなど、日本並びに世界全体で絶滅危惧種を維持して守っていこうという目的でも整備した施設」だとする。 正式なオープンは14日。開園時間は午前9時から午後4時半、月曜休園。入園料は大人一般500円、中学生以下は無料。 (文・関口威人、動画撮影・中村幸徳/nameken)