「部活動での事故は顧問が救急箱1つで対応」非常に危ない状況と専門家指摘 スポーツできる環境整備が必要
テレビ愛知
名古屋市の中学校で2024年5月、生徒が部活動中に頭を強く打ったにもかかわらず、教員が適切な対応を取らなかったことを受け、専門家らが再発防止策を協議しました。 2024年5月、名古屋市立滝ノ水中学校の2年生の生徒が、他校で行われた部活動の練習試合中に頭を強く打つ事故がありました。生徒は事故後に「気分が悪い」と訴えましたが、顧問の教員は救急車を呼びませんでした。 生徒はその後、受診した病院で急性硬膜外血腫と診断され緊急手術を受けました。市教育委員会は、教員の対応が不適切だったとして調査委員会を設置し、12月6日に第2回の会合が開かれました。
会合では、市教委の担当者が再発防止策として、「休日や校外で部活動事故が発生したときの対処法をまとめたハンドブックを作成すること」や、「市の対策を保護者にも周知すること」などを提案し、参加した専門家と協議しました。 座長を務める至学館大学 加藤雅之教授: 「話し合ってきた中で、教員だけでなくて保護者にも、先生がハンドブックを持って子どもたちの安全安心を守ることをやっているということで情報共有することが大事だと思う」
市教育委員会の提案に、教育問題に詳しい名古屋大学の内田良教授は… 名古屋大学 内田良教授: 「実は学校の部活動はもともと、安全管理が非常に不十分なまま展開されてきた。学校の体育の授業でけがをすると、保健室が開いている。ところが部活というのは、土日あるいは夏休みの時にけがをしても、保健室が開いていない。顧問が救急箱1つで、素人感覚で対応してきたというのが部活動の歴史。根本的に非常に危ういまま部活動が維持されてきたといえる」 部活の顧問の負担を減らす環境整備が必要だと指摘します。 名古屋大学の内田良教授: 「部活動というのは、顧問が何とか、ぎりぎり回しているという状況。これでは何か起きた時に対応ができないということ。部活そのものの運営のあり方。顧問だけではなくて保護者、地域住民、地域社会でどういう風に子どもの放課後の活動を回していくかと、人やお金が不足している。そういう中で、危険な状況でスポーツをさせられている。まずはスポーツ環境としてどういう風に整えるかという観点から整えたほうがよいと思う」
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