「頭を持って帰ってきた」母親が見た地獄「運命…」逮捕までの日々 弁護側の主張
検察側の主張
検察は、浩子被告が娘の犯行を容認したと主張しました。 検察側の冒頭陳述は以下の通り(一部抜粋)。 ▼浩子被告と修被告は、瑠奈被告に対し、幼少のころから叱ったりするようなことはせず溺愛し、成人した後も瑠奈被告の要望には最優先で応え、望むものも買い与えた。 ▼瑠奈被告の食事の世話などは浩子被告がしていたが、常に瑠奈被告の機嫌を伺い、浩子被告は毎日のように瑠奈被告の様子をSNSで修被告に報告。 ▼瑠奈被告にほしい物や食べたい 物を聞いて、それを修被告に買 って帰るように伝えた。 ▼浩子被告と修被告は、瑠奈被告のことを「お嬢さん」と呼び、敬語を使っていた。 ▼瑠奈被告は所有物の向きが、自分が置いた位置と違うなどと言った些細なことでも、浩子被告らに叱責。修被告が運転中であっても、その首を絞めて自分の怒りをぶつけるなどした。 ▼それに対して浩子被告らは、瑠奈被告を叱ることはなく、謝るなどしてその怒りが収まるのを待っていた。 ▼浩子被告は、瑠奈被告から「お嬢さんの時間を無駄にするな。私は奴隷です」「立場をわきまえて無駄なお金を使うな」という趣旨の誓約書を書かされ、奴隷のように扱われても、反論したりせず従っていた。 ▼修被告も瑠奈被告から「ドライバーさん」と呼ばれ、瑠奈被告が望めば、ゲームセンターやクラブなどまで車で送迎し、夜通し遊ぶ瑠奈被告に徹夜で付き合った。 ▼このように家族の中では、瑠奈被告が圧倒的な上位者であり、わがまま放題に振る舞い、両親は奴隷扱いをされても叱ることはせず、「瑠奈被告ファースト」の親子関係が形成されていた。
犯行状況
▼浩子被告は2023年7月3日ごろには、瑠奈被告が自宅に男性の頭部を隠していることを知ったが、7月24日、修被告とともに容認し生活を続けた。 ▼瑠奈被告は浴室で、ビデオ撮影しながら頭部を損壊することを計画。 ▼浩子被告は瑠奈被告から「ビデオカメラで死体損壊作業するところを動画で撮ってほしい」と求められ、実行を容認。修被告に対してSNSで「撮影カメラマンするでしょ?」などとメッセージを送り、依頼した。 ▼修被告は浩子被告の依頼を応諾し、頭部を損壊する様子をビデオ撮影した。 検察は「事件前に瑠奈被告が被害男性との間に性的トラブルがあり、殺意を募らせていたことを認識していた」と指摘しました。 検察側と弁護側の主張が真っ向から対立した今回の裁判。 浩子被告に対して、「ほう助」という犯罪が成立するのかが争点となります。