「頭を持って帰ってきた」母親が見た地獄「運命…」逮捕までの日々 弁護側の主張
◇自宅はごみ山積み…父親はネットカフェで生活 ▼田村家の自宅は、瑠奈被告が小学生のころまでは、家庭教師の先生や浩子被告の友人が来るなど、普通に整理整頓された家だった。しかし瑠奈被告がごみも含め、物を捨てることを嫌がるようになったため、自宅内は瑠奈被告の物やごみであふれかえるようになってしまった。自分の物を触られることも極端に嫌がるため、両親は瑠奈被告が置いたものを移動させたりすることすらできなかった。 ▼事件直前は、足の踏み場もほとんどないような状態となり、居間は浩子被告が寝起きするスペースを確保するのがやっとで、修被告は自宅で寝るスペースをとることができず、ネットカフ ェで寝泊まりしていた。それでも修被告は、出勤前あるいは退勤後、必ず自宅によって浩子被告に頼まれた買い物をしたり、浩子被告の作った食事を受け取るなどしていた。1人で外出できない瑠奈被告が、ゲームセンターなどに行きたいと言った時は送迎もしていた。
◇特異な親子関係…娘に対する治療 ▼瑠奈被告は6年ほど前、精神科のクリニックに通っていて、診断名としては躁うつ病という診断を受けた。その後瑠奈被告は、クリニックにも通わなくなり、修被告が薬を処方するようになった。 ▼浩子被告ら両親と瑠奈被告は、周囲から見ると非常に特異と評価される親子関係になってしまっていた。
頭部を自宅に遺棄…動画撮影までの経緯
◇引きこもりだった娘の変化に喜んだ浩子被告 ▼瑠奈被告は、数年前からホラー映画やSМに興味を持つようになっていた。それまでずっと引きこもりのような生活を送っていたが、2023年2月ごろから急に外出するようになる。 ▼2023年5月28日、瑠奈被告の希望ですすきのにあるクラブの閉店イベントに修被告が連れて行くことになった。 ▼瑠奈被告がいわゆる「クラブ」という場所に行ったのは、この時が初めて。午前3時ごろ、修被告が瑠奈被告をイベントに連れて行き、浩子被告は自宅で過ごした。 ▼午前7時半ごろ、修被告から、「瑠奈被告がクラブで知り合った人と意気投合した」という連絡がきて、浩子被告は喜んだ。長い間引きこもりで、両親以外との交流がない瑠奈被告が、誰かと遊びに行くことは、母親である浩子被告にとっては、大きな前進だと思ったから。