「頭を持って帰ってきた」母親が見た地獄「運命…」逮捕までの日々 弁護側の主張
◇頭部を直視できず、夫に助けを求めた浩子被告 ▼7月7日、瑠奈被告が浴室で作業をすると言って、浩子被告に動画の撮影を頼む。具体的に何をするか、浩子被告は聞いていない。 ▼浩子被告は頭部を直視できず、理由をつけて断り、修被告に助けを求めたところ、修被告が撮影を了承する。 ▼その後、修被告が外出してしまったため、2人きりになった瑠奈被告から再び撮影を求められる恐怖を感じ、「撮影カメラマンするでしょ?」と修被告にメッセージを送信。軽い表現になったのは、瑠奈被告が浩子被告のメッセージを見ることがあったため、瑠奈被告に見られてもいいような日常的な表現を使った。
◇“運命を受け入れよう”逮捕されるまでの日々 ▼自宅に頭部があることを知ってから、修被告と浩子被告の生活は言葉に尽くしがたいストレスを感じるものだった。2人ともなすすべもなく、あえてこれまでの日常どおり過ごした。 ▼浩子被告は、かなり早い段階で警察の尾行に気づいていたので、両親はそう遠くない時期に瑠奈被告が逮捕されるだろうと思っていた。一緒に暮らせなくなる日がすぐそこまで来ていること、警察が来た時は運命を受け入れようと考えて、その日までのわずかな時間をこれまで通り家族として生活する選択をした。2人とも瑠奈被告だけが逮捕されるとしか思っていなかったところ、修被告と浩子被告まで逮捕されることになった。
弁護側の主張
◇死体遺棄ほう助罪について ▼浩子被告は、瑠奈被告が頭部を自宅浴室に置き続けたことを認識しながら、そのまま生活したことは間違いないが、瑠奈被告が頭部を隠す意思を持っていたとは思っていなく、隠匿を容易にする意思はない。 ▼浩子被告は、瑠奈被告をとがめたり、警察に通報するなどのことはしていないが、頭部を隠す行為を容認するような発言も一切していない。特に何もしないまま生活を続けたことを、死体遺棄のほう助と評価することは不可能で、犯罪は成立しない。 ◇死体損壊ほう助罪について ▼浩子被告は瑠奈被告からビデオ撮影をしながら頭部を損壊する計画を立てているとは聞いておらず、認識していない。修被告に対しても、抽象的に撮影を 依頼した。 瑠奈被告が浴室で頭部を損壊した際、浩子被告はその場にいなかった。